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現役消化器内科医が解説!自身が胃の検査をする場合の方法は何を選ぶか?MedPeer会員医師に調査

胃の検査方法は複数あり、ご自身が検査を受ける場合に、どれを選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では医師を対象としたアンケート結果をふまえて、消化器内科医として日々内視鏡検査に携わっている立場で解説を行っていきたいと思います。


自身が胃の検査をする場合の方法について医師2,500名にアンケート実施

2024年3月に2,500名のMedPeerの医師会員を対象に「ご自身が胃の検査をする場合の方法は何を選びますか?」といったアンケートが行われました。

結果は、内視鏡を口から挿入する「経口胃内視鏡」を選んだ方が48.2%と最多で、鼻腔より挿入する「経鼻胃内視鏡」が38.1%となり、その2つで9割近く(86.3%)を占める結果となりました。「胃透視(いわゆるバリウム検査)で済ませる」という方も4.5%いました。

「経口胃内視鏡を選ぶ」という意見まとめ


表面麻酔をしっかり入れてもらっているのと、昔と比べて内視鏡が細くなっているので、あまりつらくはありません。昔はすごくつらかったことを覚えています。妻は経鼻内視鏡は痛くて、もうやりたくないと言っておりました。 
男性 開業医 眼科

嚥下反射の強い人は経口ではつらく経鼻を好みますが、反射が弱いかコントロールできる人は鼻腔の不快感を避け経口を好む傾向があります。経鼻が楽とは限りません。
男性 勤務医 一般外科 消化器内科 緩和医療 健診・予防医学

経口内視鏡の方が解像度がいいので。鎮静を使ってやってもらうので楽にできます。
男性 勤務医 一般内科 消化器内科 救急医療科 老年内科 代謝・内分泌科


経口胃内視鏡を選んだ方は、理由として経鼻胃内視鏡による痛み、不快感を挙げる意見が多かったです。また経鼻胃内視鏡と比べて解像度や視認性、性能の良さを挙げる意見も目立ちました。

「経鼻胃内視鏡を選ぶ」という意見まとめ


咽頭反射が強いので経鼻にしてもらっています。経鼻は一瞬だけ我慢すれば比較的楽です。一番重要なのは細くても診断能力に問題がないかですが、その点は内視鏡の質が向上して問題ないようです。
女性 勤務医 麻酔科 その他

経口内視鏡はとても辛かったです。担当医の先生も大変だったみたいで、次の回からは経鼻でやりましょうとお勧めしていただき、そのまま経鼻で内視鏡をしていただいています。
男性 勤務医 放射線科 一般内科 緩和医療 その他

口からだと嘔吐反射が酷くてとても検査に耐えられませんので・・・鼻からは片方の鼻の穴からは入りませんでしたが逆の穴だと入りました。特に痛くもなかったです。
女性 開業医 眼科 家庭医療 緩和医療 健診・予防医学 その他


経鼻胃内視鏡を選んだ方は、理由として経口胃内視鏡による嘔吐反射を挙げる意見が多かったです。また以前と比べて内視鏡の質が向上しており、診断能力に問題がないとの意見もありました。

「胃透視で済ませる」という意見まとめ


健診では胃透視で済ませます。胃痛で何回か経鼻胃内視鏡したことありますが、私も狭いと言われました。実際鼻からといえ鼻をやっと通過したと思ったら喉を通るときも辛いのでいづれにしても内視鏡は苦手です。なので健診では胃透視のみにしてます。
女性 勤務医 眼科

30年以上前に受けた経口胃内視鏡の苦痛を今でも思いだすので、受ける勇気がありません。
女性 勤務医 一般内科

自分の施設で、その選択肢しかないため。
男性 勤務医 一般内科


胃透視を選んだ方は、理由として内視鏡に対する苦手感や以前行なった際の苦痛を挙げる意見が多かったです。また健診(健康診断)において、胃透視のみしか選択肢がない、内視鏡は予約が取れないからとの意見もありました。

まとめ

いかがだったでしょうか。医師自身が胃の検査を受ける場合にどの検査を選ぶのかという、興味深いアンケートでした。
結果としては内視鏡検査を選択する医師が大多数を占め、内訳としては経口胃内視鏡検査が経鼻胃内視鏡検査を上回りました。

私自身は胃透視の二次検診として最終的に内視鏡検査を行う必要があること、内視鏡検査による早期病変や微小病変の拾い上げを経験していることから、内視鏡検査を選んでいます。ただし嘔吐反射が強いため、麻酔をしっかり行った上で経鼻胃内視鏡検査を受けるようにしています。
そのため内視鏡検査に対する恐怖感や検査の辛さ・苦しさなどから、胃透視で済ませる先生の気持ちも共感できます。

また胃透視を行ったからこそ発見できる病変もありますので、最終的にはご自身の考え方や嘔吐反射の強さ、鼻炎症状の有無などからご自身に合った検査を選べばよいのではないでしょうか?

次回以降の検査受診の際に参考にしていただけますと幸いです。

解析・文:和田 蔵人 医師

編集部注)本記事は一般社団法人正しい医療知識を広める会の協力で執筆いただきました。

一般社団法人正しい医療知識を広める会
正しい医療知識を広めるという理念のもと、質の高い専門知を発信する専門家を増やすためのプラットフォームとしてアザラシライティング塾を運営中。医学生から教授まで、200人以上の多種多様な背景を持つ医師が在籍。


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