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【医師調査】患者さんの紹介状いつ作成してる?【事務作業】

日本において、医療機関は地域における役割分担という機能分化の考え方から、日常的な診察をかかりつけ医が行い、高度医療が必要な場合はかかりつけ医から基幹病院や地域医療支援病院(以下、大病院)へと患者さんを紹介しています。
大病院の受診は基本的には紹介状の持参が前提となっており、かかりつけ医に紹介状を作成してもらう必要があります。
そこで、今回は”紹介状”について、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて医師会員に調査を行いました。

約8割の医師が、紹介状の当日作成を選択!

調査日:2023年12月9日

紹介状の作成時期について、医師の皆さんはさまざまな考え方や状況によって異なる対応を取っていました。
業務上、紹介状を作成する必要がない場合を除いた意見をご紹介します。

「原則当日に作成する」

50代 男性 勤務医 産婦人科
診察当日にその場で作成しています。画像のDVDもその場で作成依頼しています。患者さんへの配慮を考えたら当日作成の一択でしょう。後日作成は医療者目線での考えであり私は賛成し兼ねます。ちなみに紹介状の返書も第一報は当日その場で記載します。

30代 男性 勤務医 消化器内科
非常勤で勤めている場所は基本その場で、または外来診療後にすぐ作ります。常勤の施設では緊急時にはすぐに作りますが、次回外来予定日までに準備しています。可能ならすぐ作りたいですし、AIが手伝ってくれると助かるのにといるも思っています。

50代 男性 勤務医 泌尿器科 腎臓内科・透析
原則、その場で記載して患者本人に渡すようにしています。患者に何回も足を運んでもらうのは大変なのでできるだけその日に手渡して持参してもらいます。込み入った内容の場合は例外的にその日の外来終わりで作成はしますがが後日渡します。

30代 女性 勤務医 皮膚科
紹介先が大学病院の場合、予約申し込みのFAX送付の際に紹介状も添付必須だったため、その場で簡易的に作成し、経過が長く詳細に書くべき時は後日の紹介先受診までに届くように追記分を郵送していました。

70代以上 男性 勤務医 一般内科 その他
主に二つの理由から、「記憶の新しいうちに」と「作成することを忘れないために」原則当日中に作成しています。ただし、追加で検査を行っており、それも盛り込む場合は、結果が出次第の作成としています。


「当日に作成することが多い」

30代 男性 勤務医 消化器内科
基本は当日すぐに作成することが多いですが、外来中の紹介状作成は待ち患者に追われている最中に時間的にも大きなダメージを強いられます。すみませんが明日以降紹介状をお受け取りに来てください、とさせて頂くことは時折あります。

40代 男性 勤務医 腫瘍内科
当日作成を心掛けているが、外来終了後に作成していることが多く、後日お渡しないし郵送対応が多い。その場合の郵送料などは病院負担となっており、そちらも診療報酬や預け金などの対応が必要と考えている。

40代 女性 勤務医 消化器外科 一般外科
なるべく当日に作成するようにしていますが外来の途中にはやってられないのでその日の診察終了後になるので後日取りに来てもらいます。当日に、外来終わってすぐに書く時間かないときは作成も後日です。

40代 女性 勤務医 呼吸器内科 一般内科
ただし、外来終了後に作成、なので、受け取れるのはその日の午後になります。あらかじめわかっている人は作っておきますし、緊急の人も外来を止めて作成しますので、まあこんなものかと。。。

30代 女性 勤務医 眼科
後に残しておくとどんどんたまってしまい、面倒になるので当日書くようにしている。次回紹介することが決まっている場合には受診日までに下書きしてすぐ仕上げられるようにしている。


「翌日以降に作成することが多い」

40代 男性 勤務医 一般内科 総合診療 感染症科
状況によりまちまちです。(総合病院勤務)その日に紹介するとわかっていれば前もって作っておきます。
ごく簡単な病状で近医紹介なら当日、無理なら後日です。大学への紹介などは膨大な資料作成も必要で、当然後日です。

30代 男性 開業医 一般内科 消化器内科
緊急性がある場合は当日記載するがそうでない場合はマンパワーの問題から、また、当日採血結果が届かないので採血していればその結果を見て余力があるときに速やかに記載するようにしています。

50代 女性 勤務医 精神科
急ぎでない場合は、翌日以降の空き時間があるときに作成することが多いです。もちろん患者さまに不都合が生じない範囲で希望期日を確認したうえでですが。

70代以上 男性 勤務医 一般内科 代謝・内分泌科
患者サイドからの申し出の場合、正確な情報を伝えたいので当日に手渡しはしません。実際には当日中に作成して翌日以降に手渡しています。

30代 男性 勤務医 眼科
時間に余裕があれば当日書きますが基本的に余裕がないので後日になります。
出張先では当日書かざるを得ないので当日書きます。


「原則翌日以降に作成する」

50代 男性 勤務医 精神科
紹介されたドクターがどんな情報を欲しているんだろうかと想像しながら書くと、時間がかかります。
なるべく手短に書くよう心がけていますが、その場でパッパとなかなか書けませんので、翌日以降にすることが多いです。それと、外来でその場で書くと、他の患者さんの診療が滞ってしまいますから。余程のことがない限り、翌日以降の外来のないフリーの日にお願いしています。

50代 男性 勤務医 精神科 心療内科 一般内科
緊急性を要する場合は当日その場で作成しますが、そうでない場合はカルテを見直す必要もあるので、後日作成することにしています。

60代 男性 開業医 眼科
もちろん、緊急の時は当日ですが、原則翌日以降です。私は乱筆ですので祐筆係に作成してもらってサインします。

70代以上 男性 勤務医 一般内科
必要な情報を確認して記載するには、少し時間がかかるので、当日の診療が終了してから作成している。

60代 女性 勤務医 一般内科
紹介状の作成にある程度時間を要するので、緊急のときは別として、後日取りに来てもらっています。


紹介状の作成タイミングについて、多くの医師が患者さんの利便性を考慮して診察当日に作成することを目指していますが、外来診療の忙しさや作成に要する時間など、現実的な制約も考慮されています。
紹介状の作成のサポートを行うAIの登場を望む医師のコメントもありました。
患者さんの状況に応じて柔軟に対応することが求められる中で、医師たちの工夫や努力が垣間見られました。

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