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全部語ります。事業部Vision策定までの道のりと未来【後編】

前回は、医療機関のDXを支援する「やくばと」、かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」を手がけるメドピアの医療機関支援PF事業部(MISP)が行った「Mission・Visionプロジェクト(以下、MVプロジェクト)」で、どのようにしてVisionを策定し、事業部の方向性を明確にしていったのか、そのプロセスをご紹介しました。

今回は、実際に策定されたVisionを事業部にどのように浸透させ、日々の業務に活かしていくのかについて、プロジェクトリーダーの石川さんと現在セールスのマネージャーであり、今後MVを浸透させていくオンボーディングプロジェクトのマネージャーを務めていくことになる平尾さんにお話を伺いました。
Visionを現場でどのように実践しているのか、またその成果や課題についても深掘りしていきます。

本記事は前編(事業部Visionを策定するに至るまで・Vision発表!)後編(MVプロジェクトを振り返って・未来)に分かれております。
前編をご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

Visionの力でメンバーに生まれた意識改革

策定した事業Visionが、実際の業務にも活かせていると語ってくださった平尾さん

ー石川さんご自身が、事業の目的やMission・Visionを掲げることが大事だと感じた具体的なきっかけやエピソードがあれば、ぜひ教えてください。

石川:そうですね。少し話がそれるかもしれませんが、私はメドピアのCEO・石見さんの考え方に共感して入社したという背景があります。

入社のタイミングで、特に新規事業に携わる中では、社会的な意義が非常に重要だと感じていました。企業の中で新しい事業を始めると、どうしても採算性や売上の確保がすぐに求められがちですが、成功している事業を見ると、その目的がはっきりしていて、社会にしっかりと貢献しているものだと感じました。

その意識が強烈に芽生えたのは、在宅医療を中心に地域を支える医療機関に1年間出向していた時です。
その医療機関は、非常に目的意識が強い組織で、「私たちは医療を行っているのではなく、医療という手段を用いて患者さんやその家族の人生に関わっている」という考えが根底にありました。掲げられていたVisionも患者さんの「自分らしさ」にフォーカスされ、温かさを感じるものでした。組織が共通の言葉やVisionを持っていることで、全員が目的を見失わずに仕事に取り組んでいるということを目の当たりにしました。もちろん、事業を継続するために収益を上げることは重要ですが、それ以上に目の前の患者さんがどうやったら温かい最期を迎えられるかを本気で考えている人たちが集まっていたんです。
ビジネスモデルも重要ですが、目的意識を持って取り組むことで事業を成り立たせる力が生まれるのだと強く感じました。

メドピアも同様で、石見さんの目的意識に加えて、事業として成り立たせなければ社会的責任を果たせないという考え方があります。この2つの要素が両立して初めて事業が成り立つと考えており、特に目的意識が非常に重要だと感じています。

ーVisionが明確になったことで、メンバーにどんな意識改革が芽生えたのでしょうか?

石川:チームメンバーにとって多くの気づきがあったと思います。普段なんとなくやっていることでも、「言葉にしてみると、こういうことだったんだ」と新たに理解できたことが多かったのではないでしょうか。

そして何よりも、成果として一番大きかったのはやはりそのプロセスの部分です。ワークショップのような単発で考える機会も大事だと思いますが、個人的には、(プロジェクトメンバーの長時間に亘る話し合いの中で)あの沈黙が続くような気まずい時間を、プロジェクトメンバー以外にも経験してほしかったですね(笑)苦しい時間ではありますが、沈黙が続く中でこそ、人は深く考えるものだと実感しました。考え抜いたその先に新たな発見があるのではないかと思います。
長時間の議論を重ね、最終的にはみんなが黙り込んで、そこからさらに考えたことを発言する。普段の業務ではスピードが求められ、目の前の答えで満足してしまうことが多いのですが、そういった時間をあえて作ったからこそ、考え抜くことができたのではないでしょうか。

平尾:まず、営業が話すストーリーが変わりました。これまでは業務の効率化や集客課題の解決を中心にPRしていましたが、今では「患者様とその患者様が本来受けるべき医療を繋ぐ」というやくばとが目指す世界観をストーリーの一部として語るようになりました。これまでの営業資料にはなかった視点であり、機能や価格を強調するだけではリプレイスされるリスクがあることも含め、良い方向に変わってきているように感じます。

このVisionを生かすも殺すも浸透施策次第。想いと戦略で事業に変革を!

今後への期待を笑顔で話すお二人

ーVisionを浸透させるために、どのような取り組みを考えていますか?

石川:MMVプロジェクトチームのメンバーには大きな納得感があり、この言葉を道標(みちしるべ)に今後の業務に取り組もうとしているはずです。しかし、MISPの他のメンバーにはまだしっくりきていない人も多いかもしれません。そういった人たちにとっても、この事業Visionが、自分の仕事について向き合うきっかけになると思っています。

「自分の考える事業Visionはそうではない」という別の意見が出てくることも面白いと思います。自分たちが何を目指しているのかを考えるきっかけとしてこの事業Visionがあって、定期的に「目指す場所は、この頂上で本当に良いのか」という議論は続けていくべきだと感じています。
例えば、「自分たちが『よりどころ』になるためにはどうすればいいんだろう?」という問いかけが、この言葉があることで可能になります。そして、考えた結果、「我々はこういうところを目指しているのだから、これを作るのはちょっと違うよね」とか、「この道を進むにはもっとこういう選択肢があるよね」といった発想や事業判断の糸口として、まさに指針となる言葉だと感じています。

メドピアのCredoに「ぶつかり合う」というものがあるのですが、このVisionがそれに貢献できるのではないかと思います。戦略をベースにすると「戦略上こうだから、こうしなければならない」などという一方的な考え方に陥りがちですが、このVisionに立ち返って考えることで、「それって本当に『よりどころ』になっているのか?」という問いかけができます。
このVisionがあることで健全な話し合いの材料となり、今後の事業判断において重要な役割を果たすのではないかと期待しています。

平尾:Visionを作るだけでは不十分で、それをきちんと浸透させることが本当に重要だと思っています。事業Visionがなくても業務を遂行することは可能ですが、Visionがあることで原点に立ち返り、発想やアイデアが生まれやすくなるのではないでしょうか。目の前の業務を遂行するだけでなく、何のためにやっているのか、なぜそれをやるのかを考えることが重要なのです。

正直にいうと、Visionができたばかりなので、それが本当に全メンバーにとって良いものになるかどうかは、まだわからない部分もあります。石川さんのように、Visionを作る過程に深く関わった人たちは非常に納得しているかもしれませんが、途中から参加したメンバーやVision作りに直接関わらなかった人たちにとってはどうなのか。

私が以前勤めていた職場では、Visionや理念がしっかりと存在していて、社員一人ひとりに浸透させる取り組みが行われていましたね。
例えば、前職では、会社から課題として配布される本を読んで感想文を提出する必要がありました。当時はそのプロセスが大変でしたが、それだけ徹底されていたため、Visionや理念が浸透していたのは確かです。さらに創業者兼代表の方が、毎週欠かさず20分から30分のスピーチを行い、「なぜこの事業を新たに立ち上げるのか」「なぜこの取り組みを行うのか」といった内容を語り、常に事業Visionに基づいて話をしていました。毎週異なる内容ですが、一貫してVisionに根ざしたスピーチを行うことで、理念が浸透していたのだと思います。あれだけ徹底的にやり続けることで、Visionが深く浸透するのは当然だと感じました。

また、前々職では、先輩や上司とのコミュニケーションの中で、Visionや理念が自然と語られていました。創業者がいない時代でしたが、先輩社員が会話の中で自然にVisionを取り入れ、それが後輩にも伝わっていくという形で、まるで伝言ゲームのように自然な形でVisionが受け継がれている印象を持ちました。

今振り返ってみて、帰属意識や組織の一体感醸成に、MissionやVisionが与える影響は大きかったと感じます。
なので、今後はメドピアらしい方法で、このVisionを浸透させていきたいですね。石川さんとも「生かすも殺すも浸透施策次第」って話したりします。

ー最後に、MISPという組織が今後どのように成長していくことを期待されているのか、今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。

石川:MISPには、強い想いを持って入社してくる人が多いと感じています。多くのメンバーが、石見さんという人物や彼が推し進めてきた事業、そしてMV(Mission・Vision)に共感して集まっています。

事業の戦略を考えるうえでも、想いが重要であると考えています。私たちはいかに現場に寄り添って、顧客にとって最良のサービスを提供できているのか、今まさに試されていると感じています。「Supporting Doctors」を通じて、あくまで最終的には「Helping Patients」に貢献できたかどうかということ。ただ「つなぐ」だけなら他社でもできますが、私たちはその想いと熱量をもって取り組むことができる、唯一の存在ではないかと思います。

Visionを浸透させていくためには、これから立ち上がるオンボーディングのチームに「どれだけ日常的にこの言葉を使ってもらえるか」が鍵になると思います。私自身もこの言葉を日常的に使い、自分の中で根付かせたいと思っていますし、他のメンバーにも考えるきっかけとして活用してもらえたらと思っています。

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