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インバウンド対応で医療現場の多言語化が進む?医師調査を公開

円安やコロナ渦からの旅行客回復などの影響により、インバウンド需要が急速に高まる日本。観光客の体調不良に対応するだけでなく、「医療ツーリズム」という新たなトレンドも登場し、日本の医療業界にも大きな影響を及ぼしています。

そんなとき、ハードルとなるのが、「言葉の壁」。
医療現場では、正確な診断や治療計画のために詳細な情報交換が必要です。
しかし、医療用語は専門的かつ複雑で、さらに文化的背景や感情的ニュアンスを含むデリケートな表現が求められることも。

そこで今回は、医療現場における「翻訳デバイス」の利用について調査し、それにまつわるエピソードも募集しました。


「翻訳デバイスを常設」と回答した医師は26.6%

医師調査 翻訳デバイス

病院やクリニックなど勤務先での翻訳デバイスの常設について調べてみると、「常設している」との回答は、4分の1程度にとどまりました。
まずは「常設している」と回答した医師の意見をご紹介します。

「常設している」

30代 女性 勤務医 救急医療科
特に救急外来には観光客や労働者がくることもあるので、ポータブルの翻訳機がありますが、結局慣れているスマホアプリやGoogle翻訳で話します。
しかし時間がかかってしまうので、可能であれば大枠はお互い英語で話し、どうしてもうまく説明できない所は翻訳機に頼るようにしています。

40代 女性 勤務医 一般内科 リハビリテーション科
一応ある。実際には、各々自前のスマホでやってるけど…。観光地と工場地帯の中間にあるので、日本語も英語も通じない人が結構くる。それでもこの国に来たり居たりする、って勇者だなと思う。

50代 男性 勤務医 その他
英語、中国語、韓国語、スペイン語などの話せるスタッフがいます。上手くコミュニケーションが取れなかったら彼らに頼みます。

50代 女性 勤務医 一般外科 乳腺・内分泌外科
これがなければ特に産婦人科なんかはやってけないと思います。10%以上日本語しゃべれない外国人相手になってます。

40代 男性 勤務医 一般内科 アレルギー科 腫瘍外科 耳鼻咽喉科
確か常設していたと思います。英語までなら何とかなりますが、英語も通じない相手だと翻訳ツールが必要になります。

外国人の患者さんとの大枠のコミュニケーションは英語で行われることが多いよう。英語での対話が困難な場合は、翻訳ツールに頼るというアプローチを取る医師が多い模様。
さらに、「常設していない」と回答した医師はどのように対応しているのか調べてみました。

「常設していない」

50代 男性 勤務医 整形外科・スポーツ医学
今後どうするか検討しています。私ともう1人、英語話者がおり、もう1人の英語話者がタイ語にも対応しています。パートの先生に中国語話者がいます。つまりなんとかなってますが、インドネシア語、ベトナム語に対応できてません。フィリピン人は大抵、英語話者だから困りません。

50代 男性 勤務医 精神科
当地ではポルトガル語やスペイン語は通訳の方が同行されるケースがほとんど。中国語を母国語とする人は大抵日本語を話します。そんなことから、特に困ったことはありません。
フィリピンの方も、かつて入院、今外来の方がおられますが、直接英語でやり取りしています。

50代 女性 開業医 皮膚科
アジア系の外国人の方が多数受診されますが、みなさん日本語が堪能で、自信のない方はたいてい通訳してくれる家族や知人と一緒にいらっしゃいますし、翻訳アプリを入れて受診される方もいますので、現時点では翻訳デバイス常設は考えておりません。

40代 男性 勤務医 脳神経外科
英語ならなんとかなりますが、時々英語も通じない方が来ます。ポルトガル語や中国語など。大抵そういう方の場合通訳として日本語を話せる家族の方を連れてきてくれるのでなんとかなっています。翻訳デバイスがあれば便利ですね。

医療現場での多言語対応は必要!

医療現場での外国語対応は、スタッフの言語スキルや通訳の有無によるところが大きいようです。また、特定の言語に対する対応がまだ十分ではない状況が見受けられます。
ますます加速するインバウンド需要にどのように対応していくのか、日本の医療機関では多言語対応に向けて早急な対応が迫られていきそうです。

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