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オンライン診療、過半数の医師が賛成!一方でリスクへの言及も

医療DXの急伸により、医療業界は大きな変革の時を迎えています。中でもコロナ渦で注目されたのが、オンライン診療。
忙しい医師にとっては場所を問わず診療できること、患者さんにとっては病院へ行くことなく診察してもらえる便利なツールとして認識されています。
そこで、今回は医師2,500名にオンライン診療についての賛否、メリットとデメリット、患者さんと医師の双方に与える影響など意見を伺いました。


医師にオンライン診療の賛否を調査

オンライン診療の賛否(医師調査)
MedPeer会員への調査を基にグラフ作成

オンライン診療の賛否については、「賛成派」が過半数に上る結果となり、反対は約3割ということがわかりました。
オンライン診療について賛否それぞれの意見をご紹介します。

賛成派の医師の意見

賛成
オンラインのみで完結はリスクがあると思いますが、定期受診や、初回数回+数ヶ月に1回は必ず受診して検査などあれば、良いかと思います。
しかし都心部で、最寄りの病院にすぐに行ける環境だと、オンラインを希望する方は実際には少なくて、外来患者数はオンライン導入前と変わっていません。
交通の利便性が悪い地域だと、導入したら希望者は多いのでしょうか?
(40代 女性 勤務医 精神科)

賛成
患者の負担が減る。ただし、疾患ごとに一定期間をおいての直接受診が必要性を明確にしておく必要がある。また、医療者側の負担増につながるのでそれに見合った診療報酬を請求できるようにすべきである。移動が不要になった分は患者のみの受益になるのでこちらは100%請求で保険者負担が増えないようにするなどの工夫が必要と考えます。
(60代 男性 勤務医 代謝・内分泌科 総合診療 リウマチ科)

賛成
離島などで遠隔診療は非常に役立つと思う。都市部でも、せめて電話再診での同一処方くらいはしたい。ただし誤診・誤判断の可能性は大きくなるので、免責の条件を整備することは必須。
(60代 男性 勤務医 神経内科)

どちらかというと賛成
オンラインでできそうな診療もあるので、一部はオンラインになった方が通院負担は減ると思います。しかし実際にオンライン診療が取り入れられるようになると、オンライン診療ですませるべきでない場合でもオンラインですませてしまうことが出てくるのではないかと思っています。また本当はオンライン診療にすべきでないと思っていても患者さんの方が医療機関まで来てくれなくなることもあるかも知れません。
(40代 女性 勤務医 腎臓内科・透析 一般内科)

どちらかというと賛成
体調、天候、家族の事情、パンデミックなど様々な要因で来院できない状況では、オンライン診療は賛成です。
ただし、定期受診であっても、2回に1回、などルールを決めて、対面の機会が必要と思われます。特に付き添いが家族の場合、代理受診、オンライン受診などがあると、前医の外来に何年も全く本人が受診しない、というケースに遭遇し唖然とした事があります。
(60代 女性 勤務医 精神科 放射線科)

反対派の医師の意見

反対
一時期コロナ禍でZoomなりを使ってやってみましたが、恩恵は手間なく薬を受け取れる(診療の質を犠牲にするリスクを抱えながら)患者さんとITの業者しかメリットがなく、責任を負わなければならない医師側には診療報酬的にも恩恵はほとんどないどころかリスクの塊だと思います。インフルエンザが落ち着かず、土日祝夜間開いている現在の勤務先は、ウォークインで受診する手間の文句を言わずに患者さんが訪れています。便利な面ばかりに惑わされ、診療の質や対面の大事なコミュニケーションがおろそかになることは絶対にあってはならないと思います。
(50代 男性 勤務医 一般内科 漢方医学 総合診療 小児科 皮膚科)

反対
人間は機械ではないので、ごく限られた情報のみで判断を行うのは危険が多いと思います。また、オンラインを押し進める過程で、前提である「急な病変の可能性が少ない」が拡大解釈されるか無視されるようになって、問題が起こってしまうのではないかと想像します。
(50代 男性 勤務医 一般内科 血液内科)

どちらかというと反対
変化の乏しい慢性疾患など、患者にとって通院の手間を減らせる場合もあるが、一般的に言って、変化の早い小児は、保護者の見方を鵜呑みにせず毎回診察してその兆候が無いか確認する必要が有ると思います。
(60代 男性 勤務医 小児科)

どちらかというと反対
時代の波でしょうが、事実上問診だけになるのでそれだと薬局と変わらない。嘘をつくのも簡単。責任を回避したい。AI問診で十分。→なら、規制緩和して薬局で薬を買いなさい、と思う。リフィルでよい。
(40代 男性 勤務医 消化器内科)

オンライン診療は、離島医療など医療機関が近くにない状況の患者さんや、コロナ禍のようなパンデミックには有効と考えている医師が多い様子。
オンライン診療だけでなく、対面を組み合わせた診療が必要という意見も多く見られました。

また、オンライン診療に関する規制やルールの整備も必要だと考えている医師もいるようです。

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