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【医師調査】患者さんに年賀状送る?その理由も公開

医師は年賀状を患者さんとのコミュニケーションツールとして活用しているのか、医師集合知プラットフォーム「MedPeer」にて、医師を対象に「患者さんと年賀状のやり取りをしているか」質問が投げかけられました。

10月1日の郵便料金の値上げによる影響や、年賀状を通じた患者さんとの関係性や、それに対する医師の考え方についてご紹介します。


「年賀状を送らない」と回答した医師が約8割!

「やり取りをしたことがなく、今年も送らない」と回答した医師は約7割にのぼり、「これまでにやり取りをしていたが、今年は送らない」と回答した医師は約1割と、多くの医師(約8割)が「年賀状を送らない」ことがわかりました。
一方で、「これまでにやり取りをしており、今年も送る予定」や「やり取りをしたことはないが、今年は送る予定」と回答した医師は約2割にとどまりました。

医師にとって患者さんとの関係は大切なものですが、医師としての立場や個人的な事情から年賀状を控えるケースもあるようです。

それぞれの回答に対する医師の意見をご紹介します。

これまでにやり取りをしており、今年も送る予定

60代 男性 勤務医 一般内科 循環器内科 一般外科 腎臓内科・透析
今回の値上げが契機となってそろそろやめてもいいかなぁと思いましたが、とりあえず今回はいつも通りと思っています。やめるにしてもいきなり何の連絡もなしでとも思いますので、まぁ来年かな。確かに仕事関係(といっても今は会う機会が少なくなっている人)が多いです。

40代 男性 勤務医 小児科
小児科で白血病治療をしていたお子さんの主治医をしていました。治療中に形成された信頼関係のおかげで無事に治療を終えて元気になった後も連絡を取り合っています。年賀状のやり取りや飲みにいったり、結婚式に呼ばれたりしています。

70代以上 男性 開業医 総合診療
少なくとも2,30年来やり取りをしているので継続予定。きっかけは、転居,転医などしたあともなにかと相談に乗って欲しいと希望があり、住所のやり取りをするようになってからです。

60代 男性 勤務医 一般外科 乳腺・内分泌外科
自分でOPした癌の患者さんの消息を知りたかったので、卒後しばらくは出してましたが、最近の患者さんにはしていません。
手術後20年以上たって、まだ年賀状をいただいています。

70代以上 男性 勤務医 消化器内科
がん疾患、移植後患者などで、10年以上経過した患者で、遠方の方は、年賀状のやり取りで、生存確認しているような高齢者はいらっしゃいます。疾患と、経過によりけりです

40代 女性 勤務医 小児科 精神科
小児科なので、一定期間診療で密に関わった患者さんとは、元気になってからも親戚のように近況報告を頂いたりします。頂いた年賀状にはもちろんお返事を送っています。


これまでにやり取りをしていたが、今年は送らない

70代以上 男性 勤務医 一般内科
これまで二人の患者さんとやり取りしていました。担当から離れてからもう20年以上経つのに、こちらが出さなくてもやはり相手からその後の状況などをしたためて届くのでこちらも出すという状況です。でももう止めようと思っています。

50代 男性 勤務医 神経内科
過去、数名の患者さんから年賀状が来たことがあり、やり取りをしたことがありますが、皆さん鬼籍に入ってしまいそれで終了しています。自分の自宅住所を教えた覚えはなく、どこで知られたのか不思議でした。

50代 男性 勤務医 一般内科 感染症科 神経内科 精神科
昔、30代の頃に年賀状を送ってくれる患者さんの娘さんがいて何年かはこちらも返していました。私が引っ越しして勤務先が変わり、宛先がわからなくなったのか自然消滅しました。

60代 女性 勤務医 産婦人科
出産を扱っていたときは、患者様から子供の写真の年賀状をいただきました。病院住所で返していました。婦人科だけになったら、年賀状をもらうことがなくなりました。

50代 女性 開業医 一般内科
くださるかたはいて、嬉しいです。年賀状のソフトが壊れてしまったので、数年年賀状はストップしています。患者さんには送りませんが、年賀状は再開したいです。

60代 男性 勤務医 脳神経外科
年賀状の意義を感じなくなりました。メール、ラインで十分で、もう会わない人には送る必要がありません。はがきの値段が上がり、今年からやめました。


やり取りをしたことはないが、今年は送る予定

60代 男性 勤務医 麻酔科 緩和医療
年賀状仕舞いが年々進んでいて、もうしかるともう送らないかもしれない。

50代 男性 勤務医 脳神経外科
以前から一部の方から頂くことあり返信の形で出している。

40代 男性 開業医 その他
やり取りをしたことはないが、今年は送る予定。

40代 男性 勤務医 産婦人科
新規開業したため、送ろうかと思っている。

30代 男性 勤務医 泌尿器科
人によっては送ってあげたいと思う。

50代 女性 勤務医 循環器内科
お返事を書くことがあるくらいです。

30代 男性 勤務医 消化器外科
患者側から手紙をもらったため。


やり取りをしたことがなく、今年も送らない

60代 女性 勤務医 産婦人科
受け取りますが返事はしません。一人だけ、学生実習のとき受け持った当時7歳の子には職場の住所で返事を出していました。彼女に関しては、一緒にいた仲間が術死したことを伝えなかった心残りがあったので18歳くらいまで送りました。こちらの異動で終了しましたが。

40代 男性 勤務医 小児科 一般内科 アレルギー科 精神科 心療内科
私はもともと数年前から、誰に対しても年賀状を出したり返したりはしていません。それとは別に患者さんには返事としても年賀状は送らないようにしてきました。患者さんとの個人的な付き合いを自分が受け入れているような気がしてしまい、怖いからです。

60代 男性 勤務医 緩和医療
医者と患者の関係にある時には、プライベートなことは立ち入らない・立ち入らせないようこころがけていました。一例だけ、患者さんが亡くなった後よりご家族と一時的に年賀状のやり取りをしたことがあります。

60代 男性 勤務医 一般内科
原則しません。こちらから送るにせよ、患者から送られるにせよ、住所がわかりません(カルテから知ることはできても、私的に使うのはご法度でしょう)。とは言え、以前まれに年賀状が来たこともあります。

50代 男性 勤務医 麻酔科
まず、お互いの住所の知りようがないです。病院に患者さんの手紙が届くことはありますが、返事はしません。次回の診察時などで必要があれば、お礼は言います。

まとめ

年賀状のやり取りについての医師の考え方には、治療を通じた絆を大切にする姿勢や、公平性を重視して距離感を保つ姿勢など、多様な意見が見られました。
医師としての立場や診療科、患者さんとの関係性が大きく影響することがわかります。
一方で、時代の変化とともに、メールやSNSといったデジタルツールの利用が増え、年賀状文化そのものが見直されつつあることも確かです。
患者さんとの交流のあり方が変化する中、医師の皆さんがどのようなコミュケーションツールや方法を選択していくのか、年賀状に限らず注目されるテーマと言えるでしょう。

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