医師の約7割がプログラミング教育を「必要」と回答!調査結果を公開
2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化となり、デジタル技術の重要性がますます注目されています。
医療業界でもDXの進展により、プログラミングスキルを身につけることで、医療現場での業務効率化などに役立つ可能性があります。
一方で、AIツールの進化によりプログラミング言語の知識がなくてもプログラミングができる未来が見える中で、他にも学ぶべきことがあるのではないかという議論もあります。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて、医師を対象に『プログラミング教育は必要だと思うか』という質問が投げかけられました。
医師の見解をご紹介します。
プログラミング教育の必要性を感じている医師は7割以上!
7割以上(70.5%)の医師が「必要(『必要』、『どちらかというと必要』合算)」と回答。
プログラミングによって身につく論理的思考や問題解決能力の向上が、現代の医療におけるスキルとして不可欠であるという声が多い様子。
それぞれの見解をご紹介します。
必要
30代 男性 勤務医 その他 一般外科
特定の言語によるプログラミング能力を習得することが必要と言うよりは、プログラミングを学ぶ過程で獲得する能力が魅力的だから必要だと考えます。
まず、問題を解決する為の思考力。そして、その思考を支えるアルゴリズムに関する能力。ついで、そのアルゴリズムを実装して具体的に課題を解決する能力。それらに加えて、うまく動かない時の問題対処能力。
年輩の先生方の中には、電子工作やラジコン作製などを子どもの頃していた方もいらっしゃったかと思います。そうやって獲得されていたであろう能力を育む現代的な方法の1つがプログラミングの授業なのではないでしょうか。
70代以上 男性 勤務医 リウマチ科 老年内科
世界がマトリックス化しつつある時代に突入しており、自分で実用的なプラグラミングができる必要はなくても、プログラミングの仕組みが分かっていればある程度まで使っているプログラムの欠点、改良法などを見つけ、自由を確保することができるのではないでしょうか?
そもそも小学校で学ぶほとんどの教科は、生きていくうえでの基礎的なものであり、子供の可能性を考えれば、どのような一見バカバカしいような授業でも、受け取る側次第で成長後の役に立つことがあると思われます。
また、余り、実用一点張りの考え方は、偏狭なように思われます。
50代 男性 勤務医 呼吸器内科
必要だと思います。
各社電子カルテが乱立する中、やはりしっくりいかないところや、こうしたほうがいいところなど病院ごとの特色を生かしたアップデートが必要に迫られるとき、独自に書き換えができるとうれしいです。
電子カルテに引きずられて、電子カルテにできないことは病院ではできないということを減らしたいです。
また、学会の抄登録で最低限HTMLプログラムくらい理解してない人がUMIN登録するとその抄録読みにくいです。
Webデザインの基礎的HTMLくらい利用できるようになってほしい。
50代 男性 勤務医 産婦人科 一般内科 代謝・内分泌科 リハビリテーション科 消化器内科
確かに将来利用機会は少ないかもしれません。ただこのようなものがあるということを提示することにより、そういう素質を持った子供を見つけることができるのではないでしょうか。iPhoneが出てきた時、パソコンでできることは全てスマホでできるといい、パソコンなんかいらないという流れが日本に起こり、世界の流れから置いて行かれた原因だと思います。
30代 男性 勤務医 小児科
プログラミングそのものをする機会がないとしても、(AIを含めて)誰かが作ったプログラムを使う時に、その裏でどういった指令がなされているのか知っておくことは大切。特に、予期しないエラーが起こった時に緊急的に対策が立てられるのは理論がわかっている場合のみなので、基礎知識としてプログラムに関する教育はなされるべき。
60代 男性 勤務医 神経内科
自分ができないことはいらない、と考えるのは老化の徴候です。論理の訓練としても重要と思います。海外でも意識の高い国では必修化しています。なぜ必要なのかをその国の人に尋ねました。ちゃんと説明してもらい、理解しました。
40代 女性 勤務医 眼科
エンジニアにならなくても仕事でパソコン利用する機会が圧倒的に増えたので、知識として言葉の意味や状況判断ができる人材が増えるのは喜ばしい。今はわかる人が数人で何かトラブルが起きたときにその人がいないと後日確認と対応が遅れること多々ある。
どちらかというと必要
40代 女性 勤務医 神経内科
自動車の自動運転も実現化が見えてきた今ですが「私の家族はみんな運転免許を持っていないので期待しています」と言っている人がいて強い不安を覚えました。整備をできるようにしろとは言いませんが、何かあった時に対応できるようある程度の知識は必要かと思います。同様に、AIツールが今後発展してほとんど必要無くなるのだとしてもある程度基礎の知識があるのと無いのでは違ってくるのではないかと思います。
60代 男性 勤務医 精神科 心療内科
義務教育内の教科学習は,その場限りになったとしても,後に必要性が増して再学習する際にはとっかかりになることが多いので,無駄ではないと思います。ただし,成績評価はさほど厳しくしない方が好ましいと思います。また,やるからには,関心を深めた子どもにはadvanceの教育資源(必ずしも校内で担当しなくてもよい)も用意されるべきだと思います。
40代 男性 勤務医 小児科 一般内科 アレルギー科 精神科 心療内科
基本的な知識は得たほうがよいと思います。そうして学んだことをどれだけ活用するのかは個人によるところでしょう。プログラミングスキルは持っていて損はしないはずです。ただその分現行の学習を何か減らさねばなりませんし、指導する教諭もそろえなくてはなりません。それをどうするかは難しい課題なのですが。
30代 女性 勤務医 一般内科
幼少期から様々なものに触れるのはいいと思うしそれがきっかけで将来の選択やプログラミングに携わる人の理解にもつながると思う。質問者さんがプログラミングが必修である必要がないというのは、英語などの言語科目が必修である必要がないというのと同義ですね。
50代 男性 開業医 眼科
もう40年以上前ですが、高校でコンピューターの授業がありプログラミングの勉強をしましたがさっぱりわからず、どれだけ勉強してもわかる気がしませんでした。個人的には、あうあわないがあるのではと思います。でも底上げのためには必要かなと思います。
50代 男性 勤務医 リハビリテーション科 脳神経外科
教育の内容をあまり知らないので何とも言えませんが、義務教育で習っても不要だった授業なんてたくさんありますよね。子供たちが興味を持てる分野の選択肢を増やしてあげる事も必要だと思うので、そう言った意味であっても良い授業だと思いますが…
どちらかというと不要
60代 男性 勤務医 呼吸器内科
プログラミングスキルは興味のある人と無い人とでその後の活用度に大きな差があり、興味の無い人に取ってはおそらく無駄となる。デジタルスキル向上目的の教育をするならば、ソフトウェアの使い方や、SNS等を利用する際のリスク対応力の教育に力を注ぐべきだと思います。またデジタルスキルの向上も大切ですが、昨今の状況を考慮すると、読書時間の減少などにより劣化した国語力などコミュニケーション力向上にリソースを回すべきだと思います。
70代以上 女性 勤務医 産業医
小学校ではプログラムを作るよりもっと人間として生きていくのに必要な物事を理解したり言語だったり体力作りや人間関係を構築する方の教育をした方が良いのでは無いかと思います。人間的に成長しないうちにプログラム作るスキルだけ手に入れても本当に社会の役に立つために使われるかどうか不明。また今の教育体制では結局外部への丸投げになってしまい、生徒の全人格を成長を見守る小学校教育のゆがみを作ってしまうのではと危惧します。
60代 男性 勤務医 心療内科 精神科
多くの人は動かし方さえ知っていれば車は運転できます。整備の人も少しは必要ですが、普通の人は最低限でよく困れば専門家に早く相談する姿勢さえ持っていれば。今後、プログラミングも同じように、しっかりと養成されたプログラマーがいれば、大多数は最低限に済ませれば良い。他は良いのに、プログラミングだけ躓いた人が、困っていくのはしのびない。
60代 男性 勤務医 産業医 一般内科 健診・予防医学 消化器内科
OSの更新などの際の不具合に、自分の頭で考えてトラブルシューティングできれば(DX自体は high-touchで、いずれ会話をするような感覚で全て操作できて当然、になるでしょうが)、システムに振り回されないで済む。
その最低限で、あとは実生活での習熟で良いのでは?
40代 女性 勤務医 耳鼻咽喉科 その他
やっている内容が基礎の上に成り立っていないので(小学生が2進法すらまともにわからない地域に住んでます)はっきりって無駄だと思っています。もっと知識を身に着けてから習うべきではないでしょうか。興味のある子はドはまりしているようです。
30代 男性 勤務医 小児科 代謝・内分泌科 救急医療科 産婦人科 総合診療
義務教育の場合、「有ったら良いね」より「無いと大変(致命的)」の方を優先的にカリキュラムに入れるべきと思います。
プログラミングについては、必要性をさほど感じません。
不要
50代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科
設問中にも記載があります通り、「プログラミングスキルがあってもエンジニアでなければ利用機会は少なく、今後AIツールの発展によって言語を知らなくてもプログラミングができるようになっていくこと」、デジタル技術の活用は必ずしもプログラミングが必要ではないことを考えると不要と思われます。
デジタル技術に関して必要な教育は、どちらかというとSNSなどの利用についての注意やデジタル技術を使用した詐欺などへの注意などリテラシーに関するものの方だと思います。
50代 男性 勤務医 一般内科 漢方医学 総合診療 小児科 整形外科・スポーツ医学
医学部に行く気が一切ないのに解剖学や生理学を学ばされるようなものだと思います。将来プログラミングを専門とすることを希望する人は早々から学べばいいし、希望しない人には別の学問を早々から学ばせるようにコース制にするのがよいと個人的には考えます。この時代では私はプログラミングで落第して人生台無しにするような気がします(専門的なPCスキルを学ぶ気もないし、強制は嫌なので)。
30代 女性 勤務医 救急医療科 集中治療科
プログラミングは全員が必要ではないし、教えることのできる先生も限られていると思う。プログラミング教育を必修にするなら、その前に英語教育を工夫したりもっと優先すべきことがたくさんある。
50代 男性 勤務医 一般外科 消化器内科
一般的には不要でしょう。どの分野でも同じですが、全員に基本教育を行うことで人材を発掘し、今後の成長分野であったり国の基幹産業になり得る分野の発展を狙っているのだと思います。
60代 男性 勤務医 産婦人科
小学校からのプログラミング教育は不要と思います。実際、スキルを日常的に利用する機会は、ほとんどないと考えられます。英語や他の科目の勉強に時間をかけた方が良いと思います。
多くの医師が、デジタル技術の普及により基本的な知識が必要と考えていることがわかりました。
プログラミングを必修とする必要性を疑問視する医師の意見では、実際にプログラムを組むことよりも単なる使用に留まるケースが多いとの指摘もあります。
実用性と将来性を考慮し、プログラミング教育の在り方が見直されることが期待されます。
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