【医師の働き方改革】勤務先で医師が実感している変化を調査
2024年4月より医師の働き方改革がスタートし、時間外労働の上限が原則として年間960時間になります。
また、焦点となっていた「自己研鑽」について、厚生労働省は1月15日付で医師の研鑽に関する通知を一部改正しました。
開始まで残り1カ月を切った中、病院ではどのような対応がなされているのでしょうか?
MedPeerの会員医師に調査をしました。
医師の約4割が「勤務先で変化があった」と回答
調査によると、37.4%の医師が「変化があった」と回答した一方で、約半数(48.4%)は「変化はない」と回答。
それぞれのコメントを詳しく見ていきましょう。
【コメント】変化があった
30代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科
大学病院です。
医局単位で人事課の方からの説明会があった。働き方改革に加えて夏休みとは別に有給休暇の明示があった。また、時間外手当の給料アップや、深夜加算の話があった。
人事課としては取り組もうという姿勢が見られたが、有給休暇に関しては医局内でのことだからあやふやにはなりそう。
50代 男性 勤務医 産婦人科
医師も診療科の実情に合わせたフレックスタイムでの出勤が可能となりました。会議・研修会は時間内に行われることが多くなりました。ただし、各科の医師のオンコール体制に関しては評価や待遇が変わりません。
50代 男性 勤務医 感染症科 消化器外科 一般外科
労働時間をシステムに細かく入力するようになりました。正直なところめんどくさいですが、病院労務管理上は必要なことだろうと思いますので、やむを得ないと考えています。
70代以上 男性 勤務医 放射線科
残業代と管理職手当の兼ね合いや計算方法が変わった。単純に時間外が上乗せされることはないように適切な方法となった。
50代 男性 勤務医 精神科
当直明けが昼までの勤務になったのはだいぶ前でしたが、最近では医局会がかつて16:40開始だったものが16:00の開始になった。
民間病院です。
40代 男性 勤務医 麻酔科
勤怠管理システムの導入、自己研鑽の基準が提示されましたが、だからといって働き方改革に繋がるのかは不明です。結局残業代を削られるだけな気がします。
40代 男性 勤務医 呼吸器外科
有給取ったり、事務作業をドクターエイドに振ったりすることを堂々と言えるようになった。それまでの環境が酷かっただけとも言えるが、、、。
40代 女性 勤務医 麻酔科
上司の理解などまだまだ課題が多いものの、少しずつではあるが、有休消化できないことが問題視されるようになったのはありがたい
60代 男性 勤務医 一般外科 消化器外科 乳腺・内分泌外科 呼吸器外科
当直体制の見直しがされています。夜間時間外の救急受け入れは少し手控え、日中の業務に注力する方向に変化しています。
【コメント】変化はない
30代 女性 勤務医 血液内科
勤怠管理システムの導入や自己研鑽の取り扱いについての説明に関しては2019年頃に比べて細かくはなってはいるし、チーム当番医以外の休日出勤も同時期よりかなり減って来たと思うが、「働き方改革」を起点とした変化かというと疑問。その辺は単に時代の流れとも思う。外勤の日当直と当直明け本拠地病院での勤務はまだまだ残存しており「働き方改革」の流れで撲滅できる制度ではない。
40代 男性 勤務医 神経内科
説明会があったが、結果として現時点では変化が感じられない。タスクシフトについてもようやく具体的な改善点を募り始めたところで遅れていると感じます。
50代 男性 勤務医 麻酔科
元々働き方改革について職場の取り組みはされてきており、4月からあらためてということは特にありません。
50代 男性 勤務医 消化器内科
今のところはないです。自動のタイムカードなど意見はあり検討中と伺っていますが、まだです。
60代 男性 勤務医 健診・予防医学 呼吸器内科 呼吸器外科 産業医 その他
勤怠システムが導入されました。外勤が禁止されました。通常勤務の間に強制的に休日をとるようにされました。その分、出勤日の業務が増えました。経験年数の少ない医師の休みが増えた一方、高齢医師や経験豊富な医師など管理職による一般業務が増えました。
40代 男性 勤務医 神経内科
説明会があったが、結果として現時点では変化が感じられない。タスクシフトについてもようやく具体的な改善点を募り始めたところで遅れていると感じます。
60代 男性 勤務医 消化器外科 一般外科
まったくありません。小規模病院では常勤医の少なさから日当直回数の多さ、当直の翌日の勤務等改善すべきところは多々あると思われます。行政も目を向けてほしいと思われます。
「変化あり/なし」それぞれのコメントを紹介しました。
2040年に高齢者人口が最大となることが予想される中、4月からの医師の働き方改革が契機となり、持続可能な医療体制の構築が進んでいくことが望まれます。
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