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スタートアップ起業家必見!仲間づくり、どうしてる?~ヘルスケアスタートアップ起業家が語る!ヘルステック業界の未来<後編>~

前編では、医師の起業への意識から、2社の事業内容についてお話をいただきましたが、後編では「ヘルスケア業界におけるスタートアップ支援の重要性」について語っていただきます。
引き続き、株式会社ヘンリー 代表取締役社長・逆瀬川光人さんと、DFree株式会社 代表取締役・中西敦士さんをお迎えして、対談の後編をお届けします。2人が語る、挑戦と可能性に迫ります。

(写真左より)メドピア株式会社代表取締役社長 CEO・石見陽さん、株式会社ヘンリー代表取締役社長・逆瀬川光人さん、DFree株式会社代表取締役・中西敦士さん

仲間づくりどうしてる?

石見:前半では、ヘルスケアにおけるスタートアップ企業の創業数や、医師の起業意識、さらにお2人の事業についてお話しいただきました。
改めて、ヘルステック業界での起業という観点からいくつか質問していきたいと思います。
お2人の事業は、今まさに社会実装が進んでいるタイミングだと思いますが、これから起業される方が参考となるように、仲間や組織作りについてお聞かせください。

逆瀬川:私たちが取り組む課題は、とても複雑で難しいので、良い方に入っていただかないと問題が解決しないし前に進みません。お金を稼ぐのも、儲けたお金で再投資し、さらに大きな課題に挑むことを目指しているためです。
良い方に入っていただくには、社会課題の大きさと複雑性をストレートに伝え続けるこことが、1番の近道だと信じています。

中西:私たちは創業から10期目を迎え、組織の再編などさまざまな変化を経験してきました。その中で、どんな状況でも社長である私が絶対に心を折らないことが最も重要だと考えています。矛盾していますが、たとえ1人になったとしても、仲間を信じ続けると言っています(笑)

私たちの取り組みがユーザーさんの人生を変えたという感謝の声を日々いただいていて、その声をみんなに共有することは大切です。特にエンジニアたちはエンドユーザーと直接接する機会が少ないため、こうした声を知ることで「やっていて良かった」と感じる瞬間が生まれます。私たちの活動が、誰かの役に立っているとしっかり理解してもらうための仕組み作りが、私たちの使命です。

また、私は常に社員のみなさんにリスペクトを持って接し、「ありがとう」と伝えることを心がけています。

社会実装に向けた外部支援の必要性・期待すること

石見:外部からの支援は、スタートアップ、特にヘルステックに限らず、すべてのスタートアップが直面する重要な課題です。仲間だけでは解決できない問題も多い中で、外部からの支援に関して具体的にどのようなことを期待されていますか?

中西:もちろん、応援してほしいという気持ちはあります。私たちの事業の成長に障壁となる規制があれば、下げていただいたり、必要なユーザーに情報が届かない場合には、ユーザーを紹介していただいたり、メディアを通じて発信していただくことも応援の一部です。

石見:介護の領域では、エビデンス作りも重要ですよね。特に、どれくらい稼働が減ったかなどのデータを収集する際に、外部の力を借りるといったこともあるのでしょうか。

中西:エビデンス作りは手探りの状態です。介護に特化した学会は少なく、厚生労働省や民間のシンクタンクを活用してエビデンスを集めています。私たちが持っているエビデンスを基に、政府にアピールしていく取り組みを行っています。

逆瀬川:事業を行う中で感じるのは、雰囲気作りの重要性です。学会で専門家が話している、地域の有力者がサービスを利用しているということがあると、一気にDXが進む可能性があります。
ヘンリーの場合は、病院の内部で「(電カルに)変えたくない」という圧力があるのですが、隣の病院が新しい取り組みを行っているのを見て「楽になりそうだ」と感じたり、ある先生の講演を聞いて「時代は変わった」と思ったりすることが影響を与えることがあります。
エビデンス作りやルール変更の重要性も感じますが、最終的にはその場の雰囲気や地域の環境が変わることがポイントかもしれません。

中西:DXの推進は、採用にも影響がありますよね。特に地方の病院では、「iPhoneを全員に配らないと若い人が来ない」といった声も聞きます。

石見:外部からの支援に対する期待は大きいようですね。

スタートアップ企業はピッチコンテストに出るべき?

石見:メドピアでは、スタートアップ企業の情報発信をサポートするイベントとして、毎年12月に「Healthtech Summit」を開催しています。今年で10回目を迎えますが、ピッチコンテストも開催します。ピッチコンテストは社会課題に対して自分たちのソリューションを問う場として大事かなと思います。そんなピッチコンテストの捉え方について伺いたいです。

中西:私はピッチコンテストに出ることには、完全にメリットしかないと思っています。普段なかなか会えない審査員の方々に、実際に事業内容を聞いてもらえる機会は非常に貴重で、その場や懇親会でフィードバックをもらえるのでとても価値があります。
たとえ、ピッチコンテストで優勝しなくても、つながりが生まれることもありますし、メディアを含め、アンテナの高い方々に見てもらえるので、デメリットはないかなと。

逆瀬川:私たちもスタートアップを対象としたピッチコンテストには出ていないですが、学会や自社発信をがんばっています。発信することは価値があるし、共感してくれる仲間が増えます。
大事なのは、その場に共感して欲しい相手がいることで、それが当社の場合はたまたまピッチコンテストではなかったというだけです。

石見:貴重なお話をありがとうございました。今後のお2人の発展を大いに期待しています。

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