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花粉症対策の救世主!?「舌下免疫療法」について医師の考えを調査

日本人の3人に1人がスギ花粉症であると言われています。
2024年の飛散量は2023年より減少する見込みではありますが、ほとんどの地域で大量飛散の目安とされる2,000個/平方センチメートルを超えると予測されています。

そこで、最近注目され始めているのがアレルゲン免疫療法である「舌下免疫療法」。「MedPeer」で2019年に実施した調査・コメントを基に、医師の賛否を見ていきます。
スギ花粉症のほか、ダニアレルギー性鼻炎(ハウスダスト)にも効果が期待されている舌下治療、医師はどのように考えているのでしょうか?

「舌下免疫療法」に対する医師の見解は賛否両論!

2019年時点で、なんらかの形で「舌下免疫療法」を実施していると回答した医師が約37%に対し、実施していないと回答した医師は約60%という結果に。
それぞれの医師の見解をご紹介します。

※医師のコメントは医師個人の意見となります。

「スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎の両方実施している」

60代 男性 開業医 アレルギー科 耳鼻咽喉科
皮下免疫療法から免疫療法を行っています。特に重大なアナフィラキシーは今のところ起こらずすんでいます。また今年スギ花粉症は重症の方が多かったのですが、開始後半年以上の方は7割程度の方が軽いかほとんど追加処方もいらない状態でした。

60代 男性 開業医 小児
患者さんと家族からの要望があり、2年前から実施ています。実際、鼻炎も結膜炎も軽減されています。ダニに関しては、喘息の発作も少なくなっているように思います。

60代 男性 開業医 アレルギー科 呼吸器内科
スギ花粉症に対する治療効果は、実感できますが、ダニアレルギーに対する効果は低いように思われます。


「スギ花粉症のみ実施している」

50代 男性 勤務医 小児科
スギ花粉症はひどい人が治したいとやってくる。ダニはそこま症状が重くないので希望はしない。

40代 女性 開業医 小児科
昨年秋から開始しました。今シーズンすでに効果を実感しています。

60代 男性 勤務医 一般内科 アレルギー科 呼吸器内科
思ったほどの効果は出ないですね。以前に処方した人のみ継続中


「ダニアレルギー性鼻炎のみ実施している」

50代 男性 開業医 耳鼻咽喉科
一年中症状に悩まされている通年性アレルギー患者さんのために、と思って、ダニを優先しています。スギ花粉症も対応できるようにしていますが、希望者がこれまでいませんでした。ただ、今年は花粉飛散量が多く、症状が例年より強く出て困ったという人が多いので、この夏からスギ花粉症の舌下免疫療法を希望される方が出そうです。

40代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科
まだ数は少ないですが、内服でコントロール不良な症例に提案して行ってます。

50代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科 一般内科 麻酔科 老年内科
まだダニアレルギー併診の段階。将来的にはダニから始めてスギも行う予定。


「両方実施していない」

50代 男性 開業医 耳鼻咽喉科
私自身が花粉症だが、もう数年して、効かない患者さんの治療中止の時期が早く分かる知見が集積し(例えば花粉が少なくないと予想される年の1月から開始して3月に効いてなければやめる等)、難しいとされているがもし出来ればヒノキに対する有効な治療法が出てきてから開始したい。もしやるならまず自分で週一回で効果が無いか試したい。もし週一回で効果が有れば月一回も試したい。

50代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科
数件の問い合わせはありますが、実施には至っていません。理由は自身が花粉症ですが、あそこまでしてと思わないからです。あとは数年加療を行っても2割ほど効果のない方がいること。その見極めが今の段階では詳細にわかっていないためです。

30代 男性 勤務医 呼吸器内科
今後患者さんの希望がありましたら、やっていきたいと思います。アナフィラキシーに注意することを説明しないといけません。


大きな効果を感じている医師とやや半信半疑という医師に分かれました。
どの意見も、患者さんのため、最適な治療法を選択しているという点では思いは共通。

花粉症の特効薬はまだありませんが、花粉症で悩む患者さんのためにも早く最適な治療法が見つかることを祈りたいですね。


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