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現役臨床医が解説!何歳まで医師として働くか?MedPeer会員医師に調査

医師に定年はありません。なぜなら、医師免許は特段の事情がない限り一度取得したら生涯有効であり、何歳までも医師として働くことができるからです。

しかし、大学病院や公的病院等で働く勤務医は65歳で定年と決められているように、勤務する医療機関によっては定年制度があります。ただし、定年後も非常勤医として勤務することもあり、65歳で完全に医師として働かなくなる人は少数派だと思います。
また、開業医であれば自分で経営しているのでそもそも定年はありません。

このように、医師にはほぼ定年がないため、70歳を超えても医師として働いている方は少なくありません。
一方で最近はFIREという若いうちに資産を作って早々に仕事をリタイアするという生き方も流行しています。

そんな定年のない医師は、何歳まで働くことを望んでいるのでしょうか。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」で「何歳まで医師として働きますか」というアンケートが行われました。今回はそのアンケート結果についてご紹介いたします。


何歳まで医師として働くかについて医師2500名にアンケート実施

2024年5月12日に2,500名のMedPeer会員医師を対象に「何歳まで医師として働こうとお考えですか。すでに引退された方はその時の年齢をご選択ください」といったアンケートが行われました。

結果は、 75歳以上が最も多く34.0%を占めました。次に多かったのは70〜74歳で27.6%でした。次いで、65〜69歳(22.4%)、60〜64歳 (9.7%)、59歳以下(6.3%)という結果でした。

このように、75歳以上まで働きたいと考える医師がかなり多く、70歳以上まで働きたいと考える医師は61.6%と半数を超えるという結果となりました。多くの医師は高齢になっても働き続けたいと考えているようです。

75歳を超えても働きたい意見まとめ


老化は個人差が多いので、いつまで医師として責任のある仕事ができるか一概に言えません。私は現在74歳で開業医ですが、問題なく業務もこなしており、医学に対する興味もつきません。したがって、自分の限界を悟るまで続けたいと思ってます。
70代 勤務医 産婦人科 漢方医学

自分が75歳になった時に現在一番若いスタッフが65歳になるのでそれを持って開業は閉めようと思っています。その後はボケないように学校医や幼保の園医、献血の仕事や市役所の乳幼児健診への協力などを考えています。米寿の頃まで診療していた亡父を見ているので、出来るだけ長い間お医者さんらしくしていたいと思います。認知障害の出方にかかっています。
60代 開業医 一般内科 小児科

働き方は年齢によって変わってくるだろうが、医師として必要とされているうちは働きたい
30代 勤務医 呼吸器外科


75歳以上まで働きたいと考える医師は仕事ができる限り生涯医師を続けようと考えている方が多いです。「働くこと自体が長生きにつながる」「地域社会に貢献したい」など仕事自体を前向きに捉えている意見がたくさんありました。

また、「定年後に経済的余裕がない」「スタッフを養うため」など経済的な理由をあげられる医師もいて、置かれている状況により理由は様々でした。

60〜74歳で仕事を辞めたい意見まとめ


65の定年で、やめるつもりです。あと何年生きるかわからないので、そちらで楽しもうと思います。
「60~64歳」50代 勤務医 眼科

もう限界です。月7回の当直なので、ちょっと無理。医師偏在を解決せずに、働き方改革もないものだ。
「60~64歳」60代 勤務医 循環器内科 精神科 アレルギー科 その他 小児科

40代までには開業して、60代を過ぎてからは特に判断力、気力が衰えていくと思うので、段々と治療の第一線からは退いていきたい。
「65~69歳」20代 勤務医 小児科

体力が持って、知識のアップデートもきちんと出来ていれば、ある程度は働き続けたいとは思いますが、周囲から老害と思われる前には退きたいです。
「70~74歳」40代 勤務医 一般内科 循環器内科 その他 産業医


60〜74歳で仕事を辞めたい医師は、「能力が衰えて老害と思われる前に引退したい」と考えていたり、「勤務がハードなため限界だから引退したい」と考えているようです。また、「65歳で引退して趣味など自分の時間を持ちたい」と考えている方もいました。私も、人生は仕事だけではないですから、65歳くらいで引退して、後は妻と旅行したり穏やかに人生を過ごしたいなと考えています。

59歳までに早期リタイヤしたい意見まとめ


FIREしたいです
50代くらいで本気で働くのは終わりにして、それ以降はバイトなどでゆっくりしたいですね
20代 勤務医 その他

年々医師として仕事のやりにくさを感じており、できるならなるべく早く引退したい。外来バイトくらいでしたら全然できると思いますが、入院で病棟を持つのは本当に早く引退したいです。
30代 勤務医 整形外科・スポーツ医学

投資で収入を安定して得られるようになった時点で辞めたい
40代 勤務医 呼吸器内科


59歳までに早期リタイヤしたい医師は、「生活に目途がつけば」や「投資などで安定した収入を作ってFIREしたい」などと考えているようです。

特に40代以下の若手の医師に多い傾向があり、お金を稼ぐために医師の仕事をしていると割り切っている方も多いのかもしれません。一方、60代以上の世代の医師は、私自身の周囲の話やアンケート結果からも、医師の仕事を生きがいと捉えている傾向が多いように感じます。
人生における仕事の役割が時代とともに変化してきているのかもしれません。

まとめ

医師には定年がないため、70代や80代になっても仕事を続けることができます。
その結果、地域医療に貢献することができますし、高齢になっても自分で稼ぐこと自体が社会貢献にもなるでしょう。

しかし、70代や80代になると誰しも記憶力や判断力が衰えるため、最新の医学知識を得続けることができなくなります。今までは治療できなかった疾患に新しい治療ができたり、より効果のある新薬も日々登場しています。そのような知識のアップデートができなければ、患者さんに最新の医療を提供できず、患者さんに不利益をもたらすこともあるでしょう。場合によっては疾患を見逃してしまい訴訟となるリスクもあります。

そのため、医師は患者さんに不利益をもたらす前に引退するのが肝心だと私は思います。能力の衰えは人それぞれですが、遅くとも70歳くらいが引き際なのではないかと思います。

あなたは医師は何歳までに引退すべきだと思いますか?

解析・文:スバル@精神科医(X: @subaruseisin

編集部注)本記事は一般社団法人正しい医療知識を広める会の協力で執筆いただきました。

一般社団法人正しい医療知識を広める会
正しい医療知識を広めるという理念のもと、質の高い専門知を発信する専門家を増やすためのプラットフォームとしてアザラシライティング塾を運営中。医学生から教授まで、200人以上の多種多様な背景を持つ医師が在籍。


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