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【医師調査】臨床研修後の進路、どう決める?

臨床研修を終えた後、大学医局にとどまるかどうか悩む医師は増えています。
昔は研修終了後に大学医局に戻ることが一般的でしたが、最近では他の施設でも研究環境や待遇が整っており、大学医局を離れる医師も増えています。
そこで今回は、医師の先輩として働く皆さんに、臨床研修終了後の所属先について聞いてみました。

半数以上が卒業大学の医局を選択!

調査日:2023年2月29日

卒業大学の医局を選択したとの回答が半数以上、卒業大学以外も含めると、約8割の医師が大学医局に所属。大学以外の施設と選んだ医師は少数のようです。
まずは、大学医局を選択した医師のコメントをご紹介。

卒業大学の医局

50代 男性 勤務医 放射線科
当時(約30年前)は、インターネットの発達がなく、卒業大学以外の情報はそれほど多くなかった上に、6年の8月~9月には進路を決めないと10月には入局試験があったため、そのまま卒業大学の医局に入るのが主流だったから。

30代 女性 勤務医 神経内科
何も考えず大学の医局に入局しました。研修病院の同期では半数近くが医局に入局しなかったです。どちらかというと医局に入局した側は将来に関してあまり真面目に考えていない人が多かったような・・・。

70代以上 男性 勤務医 一般外科 消化器外科
卒業した大学の医局に関連病院が多く力があれば、そこに所属するのが最高であることは自明の理である。どこの医局にもしない、いわゆるフリーの医師には実力のある人は少ないように思われる。

60代 男性 勤務医 消化器内科
当時は地方から来ているのでなければ、卒業大学で研修しそのまま卒業大学の医局に入局するのは当たり前だった。特に学位を考えていたからなおさら卒業大学しか選択肢は考えなかった。

60代 女性 開業医 眼科
自分の修行時代は今のような研修制度ではなかったので、ストレートに大学の医局に所属または大学院。
最近は様々な選択肢があるので良い面もあるし、迷うことも多いでしょうね。

40代 男性 勤務医 放射線腫瘍科
放射線治療を選択したので、ほぼ医局に所属しないと勉強できませんでしたので……(勤務先の病院が放射線治療装置を持っているところに限られ、ほぼ医局関連の病院のみなので)


卒業大学以外の大学医局

40代 男性 勤務医 泌尿器科 腎臓内科・透析
当時医局に入らなくても通用しそうなのは、大都会で働くひとと一部の内科だけだった気がします。
私は、実家から500㎞以上離れた大学に通ってました。
出身大学の各医局の雰囲気は閉鎖的であまり好きではなかったけれど、大学時代+研修医を過ごした県はとても魅力的でした。研修医で住んでいた町は特に大好きになり本音を言えばそのまま残りたかったですが、研修医2年目の時、実家の墓守をすることになり、急遽実家の隣県で同様の規模の大学医局を選びました。

40代 男性 勤務医 小児科
初期研修病院の希望科の大学に入局しました。関連病院が多く専門性含めてよいキャリアをすすめられたのと、大学院に入ったため医局の有難さは強く感じています。また、どこにも属していないと現状に満足できない or 問題があった場合に次に適した勤務先を探すのにかなりの労力を使うので私はやめることを考えたことはありません。

40代 男性 勤務医 感染症科 小児科
卒業大学以外の大学医局に入りました。医局以外では臨床医としての実力を伸ばすキャリアが思い描けなかったためです。現在の医局以外のキャリアが充実しているなら、医局に入らないのも選択肢だと思います。

50代 男性 勤務医 心療内科 緩和医療
卒業大学以外に入局したい科があったので、そこに行きました。医局にはずっといなくてもいいと思いますが、一人前になるまでは医局にいたほうが効率よく学べると思います。

20代以下 女性 勤務医 その他
夫が卒業大学に帰りたいというのでそこの医局に入局しました。どうせどこの医局でも最後は辞めたいので変に愛着だの執着だののない医局で良かったかなと思います。


多くの医師が、卒業大学で研修医として経験を積み、その後も同じ医局に所属することが一般的であった時代を経験しています。
卒業大学以外の医局を選択した医師の多くが、Uターン就職を理由にしています。

続いて、大学医局以外を選択した医師のコメントをご紹介します。


大学以外の施設

50代 男性 勤務医 精神科 産業医
1990年代卒業で、臨床研修がない時代でしたが、何科に進んでいいか卒業まで決めることができず、一般病院で内科、外科、小児科、麻酔科、整形外科等のローテート研修。その後も医局に所属することはありませんでした。それで特に今まで困ったことはないです。

40代 男性 勤務医 産婦人科
結局大学に行ってもマニアックなことをするだけで一般的な症例をまず見たいと思い市中病院で研修を行いました。喘息や肺炎を見たことがないがんだけしか見れない呼吸器先生とかいますけどそんな感じにはなりたくないですからね(笑)

40代 男性 勤務医 精神科 一般内科
診療科にもよるが、自分の担当科は大学医局に入るより市中病院で勤めた方が専門医などを早く取れるため、医局には属さなかった。今でもその選択肢には満足している。

40代 男性 勤務医 一般外科
医局に所属せず、専門医まで取得しました。ただ、外科系は医局に所属して複数病院をローテしたほうが、症例のムラもなく、守備範囲もひろがるかもしれません

20代以下 女性 勤務医 その他
入局するかどうかにはこだわりがなく、専門医取得を第一に考えてたので、自分が働きやすい、やりたいことを後押ししてくれる病院を選びました。


専門医取得など、医師としてのキャリア形成に明確な目標を持つ医師が、大学以外の施設を選択するケースが多いよう。

研修医のキャリア形成は、将来の医療キャリアにおいて重要な段階です。
専門医取得や臨床経験の積み重ね、研究活動への参加などが重要な要素となります。
多くの研修医は、卒業大学の医局にとどまり、専門医としての道を歩むことを選択していますが、最近は大学以外の施設や地域医療機関などでキャリアを築く選択肢も増えていることがわかりました。
自身の興味や目標に合わせてキャリアを構築することで、将来、医療の発展に貢献する人材輩出につながるのかもしれません。

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