【医師調査】1日あたりの外来診療の予約人数は?
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて、医師を対象に「外来診療の予約人数」についての質問が投げかけられました。
予約ツールによって、診療予約を行っている医療機関も多く、予約管理の効率化が現場の実情にどう影響しているのか、医師たちの意見を紹介します。
予約制を取り入れているとの回答は約8割!予約患者数は11~30人で約4割
予約制を取り入れている医師は合計でおよそ8割、「外来の担当ではない/予約制は非対応」という医師は約2割という結果に。
予約制に関する問題点や各医師の意見をご紹介します。
医師のコメントを紹介
5人以下
40代 男性 勤務医 麻酔科 救急医療科
外来で術前診察・麻酔説明を行っています。事前に情報収集(カルテ)は行いますが、初診患者と同様に問診が必要であり、必要十分な説明と患者・家族からの質問に対する回答が必要であるため、一人あたり30分以上はかかります。「4-5人/午前中」が限界だと考えます。
40代 男性 勤務医 循環器内科 感染症科 救急医療科 一般内科 老年内科
職場を変えてかなり人数が減りました。以前は市中病院で午前中で40人+新患をみていたので、かなりの待ち時間があったと思います。なるべく開業医に紹介しようとしていましたが、それでもかかりたいという人が多くて困りました。
60代 男性 開業医 総合診療 漢方医学 呼吸器内科 一般内科 アレルギー科
予約で埋めると救急患者さんや急性増悪の患者さんの受け入れが出来ないので、原則予約不可としている。仕事の都合でどうしてもある時間帯にしか受信できない患者さんなどに限って予約している。
30代 男性 勤務医 小児科
自分としてはまだまだ対応できるのですが、スタッフもドクターも少ない田舎の市中病院の診療体制を守るために外来数を絞っています。
60代 男性 勤務医 脳神経外科 整形外科・スポーツ医学
予約は数人、ほとんどが飛び込みです。当日に全て検査します。田舎ではそれが当たり前のようになっています。
6~10人
60代 男性 勤務医 神経内科
検査をしたら当日説明、書類も当日作成しています。一人あたりの時間が長くかかるので(処置込み)10人を超えると夕方までぶっ通しになります。かつてアメリカでは再診でも一人当たり45分、これを15分に減らせという保険会社の要請に「そんな短時間で何がわかるか!」と大反対があったそうですが、まともに診察したらその意見は当たり前だと思います。
40代 女性 勤務医 眼科
時間がかかる検査を極力予約でお願いしているが、病院の方針では予約関係なく時間ギリギリでも来院した患者を要求通り診療しろと。完全予約制にしたい。
50代 女性 勤務医 総合診療 小児科 健診・予防医学 漢方医学
自分が患者だと待ち時間が短いほうがいいが、たくさんしゃべりたい患者さんとの兼ね合いは難しいと思います。
40代 男性 勤務医 麻酔科 リハビリテーション科 一般内科 老年内科
ペインクリニックです。枠を限定しているので少ないです。そのかわり,一人当たりの診療時間は長いです。
11~20人
40代 女性 勤務医 小児科
大体再診患者が15人、新患が5人前後です。新患は入院を前提とした他院からの紹介患者なので5人を超えると、再診患者を待たせることが増えてくるので、新患は5人を超えてほしくないです。こちらの思い通りにはできないのですが。
30代 男性 勤務医 呼吸器内科 腫瘍内科 一般内科
大学病院であるがゆえ患者の権利意識が強く、処方箋だけをもらって帰る患者がほとんどいない。あれこれと自分の科に関係のない訴えが多く困っている。外来が押す原因にもなっている。
40代 女性 勤務医 精神科 神経内科 リハビリテーション科 一般内科 小児科
神経・精神系は時間かかるし、その分、検査・指導料・療法加算・検査料がとれている。新患受け入れる余裕を残すには、これくらい。残業すると、コメディカルが迷惑する。
70代以上 男性 勤務医 一般内科 健診・予防医学 産業医
適正な患者数は新患でなければ25人前後、新患であれば10人前後がいいですね。診る側も患者さんも対等にコミュニケーションができる貴重な時間です。
60代 男性 勤務医 消化器外科 一般外科
大体の患者さんは、体調の変化がなく、10分以内で終わりますが、中には体調の変化を訴える患者さんもいるので、時間に余裕を持たせています。
21~30人
60代 女性 勤務医 消化器内科
市中クリニックの午前分です。
予約の合間に、風邪や腹痛などの新患も受け付けています。最近は、生活習慣病療養計画書の作成もあり、本音を言えば、予約は、1時間で4人程度に抑えたいところです。
現在の予約数では、たいてい、後半の予約の方を相当お待たせしてしまいます。
70代以上 男性 勤務医 一般内科
15分以一人として予約を取っている。事前準備をしておくが、検査結果の予約や結果を患者が理解できるように説明すると時間がかかることがあり、待ち時間が30分を超える時もあり、患者には申し訳ないと思っているが。
30代 男性 勤務医 代謝・内分泌科 一般内科
午前中で25人くらいです。大学病院勤務ですが、1人診ても、複数診ても給料一緒なので、皆外来を診ようとせず、外来枠をブロックするのが横行しており何とも真面目にやっている人が馬鹿をみる悲しい環境です。
50代 男性 勤務医 整形外科・スポーツ医学
1時間6枠×3時間=18枠にプラスアルファで大体20ちょっと枠になります。それ以外に飛び入りも含めても30人程度です。総合病院なので、ただの腰が痛いとか膝が痛いとかの患者さんは当然診ません。
50代 男性 勤務医 整形外科・スポーツ医学
MRIや血液検査などの検査がある人や、紹介の予約はかなり時間がかかるので、待ち時間が段々延びてしまうことが多いので、何とかしたいとは思っていますが、なかなか難しいのが実情です。
31~40人
50代 女性 勤務医 一般内科
一人10分で予約枠とっています。
検査して療養確認と相談でいっぱいいっぱいで遅れて受診される方がいるとそれでもつかえてしまいます。
予約診療は見る側からすると休めないので大変ではありますが時間が確保できるので良いかと思います。
60代 男性 勤務医 消化器内科
450床の総合病院ですが紹介状なしの新患(かぜなども)もかなり受診します。正規の予約は20人前後ですが予約外の患者を含めると40人以上は診てます。午後3時頃までかかることもあります。
40代 男性 勤務医 腎臓内科・透析 代謝・内分泌科 膠原病科 循環器内科 一般内科
再診患者ばかりであれば数は増やせますが、新患が多いと再診患者の予約時間も全く意味がない状況に陥ります。新患は新患担当とかあるとありがたいですが、人員的に無理は言えないです。
50代 女性 勤務医 一般内科
本当は30人以下が理想。ゆっくりじっくり対応できる。でも実際は40人前後で、冬の感染症時期だと、50-60人超えることも。70人超えると地獄。
40代 男性 勤務医 一般内科 血液内科 腎臓内科・透析
外来化学療法やっていますので40人弱でも死ぬほど忙しいです。昼ごはんはもちろんとれませんし、トイレにもろくにいけないまま8時間ぶっ通しです。
41~50人
50代 女性 開業医 代謝・内分泌科 一般内科
長い日は朝9時から夜9時まで30分2名ペースで診療しています。新患だと30分近くかかりますが、何とか調整してうまくいっています。最近無断キャンセルが増えているのが悩ましいです。
50代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科
8時半から13時まで、30分で5人ずつのペースで再診予約を取っているが、最近体力が持たなくなってきたので来年から4人/30分に減らす予定。
50代 男性 勤務医 腎臓内科・透析
前日に予習できるので、予約は必要であると思う。ただ、予約外も受けなくてはいけないので、現在の予約数は多いと思う。
60代 女性 開業医 小児科 一般内科 代謝・内分泌科 アレルギー科 家庭医療
当日朝の発熱はじめ緊急の受診予約はこの中に入れていません。当日の診療は更に10-15人が追加になっています。
51人以上
50代 男性 勤務医 耳鼻咽喉科
午前・午後診会わせると100人程度と思います。手術相談、術前のIC、術後通院の処置も含まれますから、60-70人くらいが適正かと思います。
60代 男性 開業医 精神科 心療内科
いったい、何分診療なんですか?と、他の医師に言われたことがありますが、さっきも、午前中だけで40人。1日に70から80人は診ています。
60代 男性 勤務医 小児科
専門外来で一コマ(午前か午後)で25~35人入れてます。当然、時間内に終わりません。時間通りに終わらせるには、一コマ20人が限度です。
60代 男性 開業医 膠原病科 リウマチ科 一般内科
現在は予約で80枠、予約なしで10名程度診ています。
診療単価の高い(診療密度の高い)患者さんのみを60名程度診るのが理想です。
外来を担当していない/予約制を取り入れていない
70代以上 男性 勤務医 一般外科 消化器外科 整形外科・スポーツ医学 産業医
一時期、予約制をやってみましたが、救急患者搬送や、準急を要する定期通院の患者等が非常に多く、後で小言を言われたり、時間的にも診療終了時間はあまり変わらず、定期の方の待つ時間は長くなりましたが、止めて正解と思っています。患者は1外来40人前後ですが。
60代 男性 勤務医 一般内科 循環器内科 一般外科 腎臓内科・透析
透析クリニックなので1日約70名ほどです。最近は合併症がある方が多く仕事はこの人数でも結構tightで働いて充実感があります。雇われなので詳細はわかりませんが、経営的にもなんとかなっているようです。
50代 女性 勤務医 眼科
予約制にすると、緊急の患者を診察して、予約時間を過ぎると、クレ-ムが入るし、予約変更の電話を受ける労力がかかるし、結局、予約外の患者も診察する必要があるし、メリットが無いので、予約は取っていない。
60代 男性 勤務医 輸血部 臨床検査科 産業医 健診・予防医学
以前の外来では、30分刻みで10人でした。その後外れて予約外の担当となり、現在は外来担当を外れました。
今後予約制の外来を担当するなら、30分に一人ですね。
50代 男性 開業医 一般内科
以前に予約0外来を行っていた時は、半日で30名を目途でした。しかし、結果説明や早めに来てもらう患者がいたりで予約枠をオーバーしていました。
まとめ
それぞれの診療科や環境に応じて、診療時間や診察可能な患者数に関して、多岐にわたる意見がありました。診療体制の適切なバランスを維持するためには、状況に応じて患者数を制限したり、診療内容を調整する必要性があるのかもしれません。
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