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【医師調査】初期研修医時代、1か月に読む書籍の量は?

初期研修医の期間は、医師としての基礎を築く重要な時期であり、勉強に多くの時間を費やす時期でもあります。研修医として忙しい日々を送りながらも、学びを深めるために「本」がどの程度活用されているのでしょうか。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて、医師を対象に「初期研修医のときに1か月あたりに読んでいた医療関連書籍の冊数」についての質問が投げかけられました。
調査結果を紹介するとともに医師のコメントをご紹介します。


4割超が「4冊以上」と回答

調査日:2024年9月4日

調査の結果、「4冊以上」と回答した医師は全体の4割超となり、意欲的に学び続けた姿勢がうかがえます。当直中や休憩時間を利用して、専門書や医学雑誌を読み込み、症例や手技について学ぶ時間を確保していたようです。
その一方で、約1割の医師は「1冊も読まなかった」と回答。特に多忙を極めた研修医時代では、時間の確保が難しかったり、症例や業務に追われて本を読む余裕がなかったという意見がありました。
それぞれの回答についての意見をご紹介します。

4冊以上

60代 男性 勤務医 腎臓内科・透析 泌尿器科
通勤の域帰りの電車内、休憩時間、就寝前、小説全般から政治経済・歴史等々さまざまなジャンルを読破した記憶がある。大学医局長時代、研修医には必ず「医学書以外の本を読め(医学書は生業上嫌でも読む)。10年後に人としての幅ができるから。」と言ったことを思い出す。

40代 男性 勤務医 小児科 感染症科 救急医療科 小児外科
スーパーローテ前世代です。「読む」の取り方にもよりますが、まだ論文検索も図書室に行かないといけなかったので、わからないことは教科書やマニュアル本を開くことが多かったです。1冊通読はほとんどしていませんでした。

40代 男性 勤務医 救急医療科
総合診療の本、救急の本、手技の本、麻酔科関連書籍。
外来で症例にあたるたびに開いて復習としてつかった。麻酔科書籍は必須で、op室にもちこんだ。いまでも当時書き込みした本を持ち込んでいる。

60代 男性 勤務医 神経内科
自分が受け持った患者さんの疾患についての専門書や医学雑誌。ネットはまだなかったのでひまがあれば本を読んでいたと思います。このときの勉強が一番身につきました。

50代 男性 勤務医 泌尿器科
自分で購入した研修医用のテキストや医局にある泌尿器科専門雑誌の興味のあるところを片っ端から読みました。バイトの当直時にずっと読んでいました。

30代 男性 勤務医 病理
初期研修用の本を読み漁りました。
当直や業務の度に参照することことが多かったです。
英文や難しい内容は当時読む気力が湧きませんでした。


2~3冊

40代 男性 開業医 循環器内科
総合診療や循環器、輸液管理、感染症などに関する書籍など。ある分野の勉強をしたければ簡単なものでも、とにかく本を一冊通読することで全体像をつかむことが重要といわれ、興味があったり実際に接することの多い分野、あとは読みやすい本などに取り組んだ。仕事以外に特にやることもなく、病院に居る時間が多かったので医学書を読む時間はそれなりにとることができた。知識が蓄積され自分が成長できているような感覚があり意欲的に取り組めた。

60代 女性 勤務医 一般内科 循環器内科
読破という意味では2~3冊ですが、必要なところを読みかじった本は数十冊になると思います。何と言っても、インターネット検索などは文献のみで、それも10分数百円かかっていたような時代だったので・・・笑笑。

40代 男性 勤務医 その他 消化器外科
レジデントマニュアルを中心に、とりあえず目の前の症例にどうすれば良いのかを書いてあるものを読んでいいました。今思えば思考停止に陥りやすい習慣で、あまり良くなかったと思います。

30代 男性 勤務医 整形外科・スポーツ医学
当直ご法度やレジデントノートなどの研修医向けの本を中心に読んでいました。読書の時間は平日の夜や、土曜日の午前中に病棟業務をし、その後昼食までの間などを勉強時間にしていました。

40代 女性 勤務医 循環器内科 一般内科
国家試験ってなんだったの?と思うくらい、実臨床では使い物にならなくて、、、ローテしている科の本は読みながらやっていました。忙しすぎて読みきれない本も多かったですが、、、

50代 男性 勤務医 麻酔科
レジデントノートと書店で気が向いた本(臨床研修プラクティスとか)をプラス1冊加えて買うのが恒例でした。
成書も読まねばと思いつつ気軽に読める雑誌ばかりでしたね。


1冊程度

50代 男性 勤務医 一般内科 漢方医学 総合診療 小児科 整形外科・スポーツ医学
研修で回っている先の専門科目に関する書籍や研修医向けのマニュアル、研修医に向けて書かれた書籍などを読んでいました。休みはほとんどありませんでしたが、その数少ない休みを研修のためと思って本を読む時間にある程度回しました。

50代 男性 開業医 産婦人科
とにかく時間がなかった記憶しかない。言われたことをこなして、回診の予習をして、病棟の指示が漏れていないか確認して、アルバイトに行って・・・  時間がなかったが今となっては楽しかったな

60代 男性 勤務医 一般内科 循環器内科 一般外科 腎臓内科・透析
仕事に関する本(手術についての本が多かったと思います)は購入して読みました。1か月あたり1冊程度でしょうか。当時はほとんど病院にいたので読む時間は結構あったと思います。

50代 男性 開業医 形成外科
雑誌も1冊とみるならもっと多いですが、本よりも論文の方が多かったと思います。本も調べるために必要部分を読む感じで、なかなか1冊読むという感じでは無いですし。

40代 男性 勤務医 神経内科
研修する科についてや、研修医間での定期勉強会などの機会で読んだりはありましたが、1冊丸ごとというよりは適宜調べながら抜粋して読むことが多かったと思います。

60代 男性 勤務医 一般内科 老年内科 家庭医療 循環器内科 総合診療
初期研修制度の開始前の世代ですが、昔は一年目の研修医は、頭で覚えるので無く、体で覚える時代でした。ひたすら先輩医師の命令を聞きながら修練していました。


1冊も読まなかった

70代以上 男性 勤務医 脳神経外科
本を読んだ記憶はないですね。ジャーナルやコピーした文献を毎日のように読まされていました。毎週の抄読会でサマリーを発表させられていました。大学病院では毎回、教授に質問を浴びて答えられず冷や汗の連続でした。

60代 女性 開業医 耳鼻咽喉科
日常の手技を学ぶのは実戦のみでした。本を開いても最後まで読破できたものはありませんでした。
周りの人に聞いて学ぶぐらいでした。

60代 男性 勤務医 小児科
私の時代は指導医から進められたのは英語の本ばかりで、マニュアルの様に必要な部分を読んでいました。他にNEJMの抄読会も毎週ありました。

50代 男性 勤務医 代謝・内分泌科 一般内科 産業医
技については本から情報を得たが、書籍になっている時点で古い情報と考えていたので、論文を中心に情報をとっていた。

40代 男性 勤務医 一般外科 緩和医療
本を読む時間なんてありませんでした。わからないところを調べる、という意味では何十冊と使っていますが。

60代 男性 勤務医 産婦人科
書籍を通読した経験はなく、診療科、疾患ごとに清書や商業誌の特集の必要な箇所を読んでいました。

多くの医師が本を通じて知識を深めていることがわかりました。
今回の結果を、現役の医師やこれから医師を目指す方々が学び方を見直す際の参考にしてみてください。

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