【医師調査】約5割が導入!医療機関のキャッシュレス決済
国内におけるキャッシュレス決済の比率は、着実に増加しており、2023年には約4割となりました。
多くの医師や医療機関がキャッシュレス決済の導入を検討する中、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて、「キャッシュレス決済を導入しているか」についての質問が投げかけられました。
キャッシュレス決済のメリット・デメリットについて、医師たちの意見を紹介します。
約50%が「導入している」と回答
2024年10月調査
2020年4月調査
2020年の調査から「キャッシュレス決済を導入している」と回答した医師が約5%増加するという結果に。さらに、「現在は導入していないが、導入予定である」を合わせると56.4%となりました。
さらに、「導入は検討していない」との回答は、2020年に比べて約10%減少し、キャッシュレス決済を導入する医療機関が増加する兆しが見られました。
キャッシュレス決済は、患者さんの利便性向上や未払いリスクの低減といったメリットがありますが、同時にさまざまな課題もあります。
以下に、キャッシュレス決済に対する医師の見解をご紹介します。
導入している
40代 女性 勤務医 麻酔科
かなり前からクレジットカード決済は可能になっていて、自動支払機のため利用もしやすくなっています。その他の方法での決済はまだできないので、増やしたらいいのにと思っていますが、おそらく難しいのではないかと思います(金銭的な問題で)。
40代 女性 開業医 眼科
クレジットカードのみ導入していますが、それも自費やオペなどの金額が高いもののみに限定しています。診察費はキャッシュで払うように今はお願いしていますが、いずれは診察費もキャッシュレスにしないといけないかなと思っています。
40代 男性 勤務医 脳神経外科
導入されています。総合病院勤務なので手数料については自身に直接被害はありませんが、開業医では問題になるのでしょう。それよりも未払いが減ったりする方がメリットは大きいのではないでしょうか。
30代 女性 勤務医 乳腺・内分泌外科
「今手持ちがないんでまた今度!」のまま支払いせずいなくなっちゃう人が、少しは減った気がします。
単会受診の若い人なんかは、もう病院に来る機会がなかなかないですものね。
50代 女性 勤務医 皮膚科
手数料がかかることがデメリットですが、最近の患者さんは老若男女、現金を持っていない人もいるため、キャッシュレス化していることで患者さんが喜んでくれることがメリットです。
現在は導入していないが、導入予定である
40代 女性 勤務医 一般内科 血液内科
受診前に支払い能力を確認する意味で、クレジットカードを提示いただくのはいいとおもいます。外国では保険や支払いを事前に確認されます。
40代 男性 勤務医 小児科
小児科で開業するので、キャッシュレス決済に慣れている若い世代の両親が来院することを見越して導入予定です。
30代 男性 勤務医 小児科
一部の地域を除き時代の流れとしてはキャッシュレス決済となる施設が増えると思います。
30代 男性 勤務医 消化器内科
世間の時流に合わせて、キャッシュレス化を進めようとしている。
70代以上 男性 勤務医 健診・予防医学 在宅医療 救急医療科 一般内科 一般外科
決済手段の多様化によりキャッシュレス化が進んでいるから。
現在は導入していないが、導入を検討している
50代 男性 開業医 耳鼻咽喉科
睡眠時無呼吸患者のCPAP、めまい、特異的IgE採血では4000円以上の支払いにはなるものの、キャッシュレス決済を求める患者は300人に1~2人くらいなのでメリットを感じないが、いずれ導入することになるだろう。
60代 女性 開業医 産婦人科 一般内科
保険診療に税金はかからないのにキャッシュレス決済には手数料がかかり、さらに消費税もかかる。
なにかモヤモヤ腑に落ちません。最低賃金はどんどん上がっていくのに診療報酬は上がりません。
本当にモヤモヤします。
70代以上 男性 勤務医 産婦人科 病理
スーパーマーケット、コンビニでは老化防止で現金を使っている。病院、デパート、旅行切符、オンライン予約などではクレジットカードを利用している。やがてはキャッシュレスも考えている。
60代 女性 勤務医 循環器内科
手数料を取られるのに、それを診療報酬に反映できないのは理不尽な気がして導入には気が進まないが、患者さんの利便性を考えると仕方ないかなと思っています。
導入しておらず、する予定もない
70代以上 男性 勤務医 膠原病科 リウマチ科 アレルギー科
スマホでの決済は便利であることは間違いないが、セキュリティー、操作の間違いなどで大きな問題を感じ、その問題解決に無駄な時間が捕らわれることが煩わしい。カードしかつけない場合は、AMEXで決済している。カード番号、パスワードが盗まれないために、信頼できる店でしか使わない。基本は現金主義で通している。
40代 男性 開業医 眼科
全員がキャッシュレスになるなら考えるが、一部でも現金の人が残るならやらない。飲食店のようにキャッシュレス決済前提で値段設定できる業態はいいが、医療は値段を自由に設定できない。一方で、税金の支払いだけはカード決済で手数料を取ることに矛盾を感じる。
50代 女性 開業医 一般内科
手数料、機械の場所、など考えてしまいます。カウンターが広くないのに、コロナで衝立をして体温計、マイナカードリーダー、があり、来年からスマホでのマイナ用の端末も置く、とか無理です。
50代 男性 勤務医 脳神経外科
医療費なのに手数料がひかれるのはどうなのでしょうか。大規模病院なら成り立つかもしれませんが、中小規模の病院・クリニックはきついのではないでしょうか。
40代 男性 勤務医 消化器内科 一般内科
価格を自由に設定できない中、手数料がとられるのではデメリットが多い。ちなみに問題になる保険証忘れは基本的にクリニックレベルではいったん全額自己負担。
医師たちがキャッシュレス決済を導入する際の現状や検討ポイントが明らかになりました。キャッシュレス化には患者さんの利便性向上や未払いの削減といったメリットがありますが、手数料の問題や設備の充実など、導入にあたっての課題も多く指摘されています。
医師たちの間では、キャッシュレス決済が患者さんとの関係を改善し、医療サービスの質を向上させる重要な手段であるとの認識も広がっています。
今後も技術の進化や法制度の整備が進む中で、より安全で効率的な医療サービスの提供が期待されています。
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