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「医師の働き方改革」開始直前!医師のリアルな声に迫る

4月1日より「医師の働き方改革」がスタートします。
メドピアがリクルートメディカルキャリアと共同で行った『医師の働き方改革に関する調査』によると、医師の約3割が長時間労働の改善を期待していることがわかりました。
休日休暇やプライベートの時間を十分に取れることなど、ライフスタイルの改善に期待をしている医師が多い一方で、不安・懸念として挙げられたのが、”収入の減少”でした。医師の半数以上が「医師の働き方改革」によりどのくらい収入に影響するのかわからず、不安を感じているようです。

そこで、現場で働く医師が「医師の働き方改革」についてどのように考えているのか、実際の声を聞いてみました。

医師の働き方改革に関する意識調査はこちら


「医師の働き方改革」への期待と懸念、現役医師の声は?

神戸百年記念病院 総合診療科の高田史門先生、医療法人社団 平成医会 理事長の島田潔先生にインタビューを行いました。

神戸百年記念病院 総合診療科 高田史門先生

メドピア 医師の働き方改革

「働き方改革について率直な意見としては、医師がようやく労働者として認識されはじめたように感じています。
一方で懸念している点は、医療の質が低下する可能性です。医師の労働時間が制限されることで、同時に勤務している人数も減少するため、結果として救急体制や日常の診療の質が落ちてしまうことが考えられます。
正直に言うと働き方改革を実施してみなければわからない側面もありますが、普段の救急対応や、コロナ期間中に話題になった問題が日常化する可能性を危惧しています。

さらに、医師側としてはこのシステム(医師の働き方改革)が形骸化してしまう可能性も危惧しています。労働しているのに正式な労働時間としてカウントしない病院や施設が出現する可能性があると考えており、どの程度適切に管理され、どのように監督されるかについては気になります。」

医療法人社団 平成医会 理事長 島田潔先生

メドピア 医師の働き方改革

「診療所を開業したばかりのときは、医師と少数の職員だけでスタートすることが多く、主に患者さんのための診療に集中しているため、多くの場合、労働基準法などに関して手が回らない状況です。
また、病院に勤務する医師も、自己の医学技術の向上や患者さんのために尽力することが、ヒポクラテスの誓いに基づく長年の伝統であり、一般の企業に勤めている労働者とは異なる労働者の権利に対する考え方を持ってきました。これは、医療機関における医師を中心とした組織構造の特徴であり、それによって医師以外の職種や事務職員も、一般企業とは異なる理念や倫理感で仕事をしています。これが医療の良い点でありつつ、就業環境としての問題点でもあり、その辺りが新しく変わっていく一歩になると思っています。

一般の医療機関では、残業時間の上限が900時間台と設定されており、救急を扱う病院や研修指定病院ではさらに高い1,860時間となっています。その程度の勤務時間を要してようやく医療機能を保てる状況です。従って、労働時間が多いことが必ずしも悪いとは言い切れませんが、労働時間が改善された場合、医師の過重労働を他の職種にシフトしないと、上限を守れない医療機関が出てくる可能性があり、その場合一般の他の職種への悪影響も懸念されます。」

現役医学生は「医師の働き方改革」どう考える?

さらに、医学生を対象に「医師の働き方改革の認知度」を実施してみると、なんと!ほぼ100%の医学生が「医師の働き方改革」について認知していることがわかりました。
現役医学生が医師として働くころには「医師の働き方改革」がすでにはじまっているため、その関心の高さが伺える結果となりました。
この調査では、過労の防止につながることから改革を望ましいと考える肯定的な意見がある一方で、実際の勤務時間の記録方法や自己研鑽区別に対しての意見も挙がりました。
特に、大学病院に勤務し、診療以外に教育や研究も業務としている医師にとって、教育や研究活動が労働時間に含まれるよう、厚生労働省からの通知がありました。しかし、実際の業務と教育・研究を明確に区別することは難しいケースも多く、具体的な管理方法は各病院に委ねられています。上司とのコミュニケーション方法も、この問題に大きく影響すると考えられます。

労働時間外での自己研鑽に対する意識は医学生の間で二極化しており、若手医師の育成における課題として浮上しているようです。

医学生への調査はこちらから

自己研鑽の取り扱いについて、現役医師に聞いてみました

医学生も懸念している業務と自己研鑽の垣根。再び、神戸百年記念病院 総合診療科の高田史門先生、医療法人社団 平成医会 理事長の島田潔先生に聞いてみました。

神戸百年記念病院 総合診療科 高田史門先生
「労働と自己研鑽の境目については、かなりあいまいな部分があり、医師にとって大きな事項でした。それが今回の発表で、自己研鑽が労働時間に含まれることがある程度明確にされました。
特に、神戸市の研修医の問題など、実際の事例が大きな影響を与えたと考えられます。結果的に命を落としてしまう医師がいるというのは、労働条件の問題であり、これまで自己研鑽の時間が長くても労働時間として認識されなかったことに関する議論がありました。今回の改革がそのような問題に対処する形で導入されたとみられ、現場での労働時間としてきちんと反映されることが理想的だと思います。
今後、実際に労働時間として考慮され、医療現場がより良い方向に進むことを期待しています。」

医療法人社団 平成医会 理事長 島田潔先生
「医学は常にアップデートされるため、医師は常に学び続ける必要があり、自己研鑽と労働の境界が曖昧になっていました。特に研修医の場合、基本的な医療行為も一つひとつ調べながら覚えていく必要があり、この時間が学習なのか労働なのかという点で議論がありました。大学病院などでは、自ら進んで行う学会発表や、病院や上司から求められる症例報告など、自己研鑽や専門資格の取得のための活動が労働時間としてどのように扱われるべきか、明確な線引きが困難でした。
このような背景から、医師の勤務認識と職場や病院の方針が一致しない場合、紛争が生じ判例が積み上がり、これにより一定の共通認識が形成されていく過程がしばらく続くと予想されます。
例えば、応召義務について。厚生労働省からは、緊急の患者対応を除き、勤務時間超過後の診療拒否が義務違反にはならないとの通知がありますが、医療機関全体としては引き続き義務を負っています。このようなダブルスタンダードがあるため、医療機関にとって質の高いサステナブルな医療提供と働き方改革の実現をいかに両立させるかという課題を提示しています。」

「医師の働き方改革」を推進するためには、医師の業務効率化も重要!

「医師の働き方改革」のスタートと同時に、これまで長らく議論されてきた医師の業務効率化がより一層クローズアップされます。メドピアが提供するAIを活用した論文検索サービスのような、医療現場の第一線で働く医師をサポートする医療DXがさらに加速することでしょう。

>>>もっと詳しく知りたい方はこちらの動画をチェック!


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