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生活習慣病を防ぐ特定保健指導。食からのアプローチで健康を支える

2020年から、株式会社フィッツプラスにて特定保健指導のサービスに携わっている井上 恵さん。企画部ユニットリーダーとして、フィッツプラスに関わる管理栄養士を率いています。人々の健康面をサポートできることにやりがいを感じていると語る井上さん。サービスの成長戦略や、そこに懸ける想いに迫ります。


栄養面から生活習慣病の対策を。健康保険組合とタッグを組み健康をサポート

井上さんの仕事風景

──井上さんが携わっているフィッツプラスの特定保健指導について、概要を教えてください。

フィッツプラスは特定保健指導のサービスを提供しています。特定保健指導とは、健康診断の結果、メタボリックシンドロームの一定基準に合致した40歳以上の対象者に、改善に向けた指導を行うこと。私たちの直接のお客様は健康保険組合で、組合に所属する会社やそこに勤める従業員の健康を守るために、特定保健指導のサービスを提供しています。フィッツプラスでは、管理栄養士が対象者に指導を行う形です。

特定保健指導の対象者になった場合、会社や健康保険組合から本人にご案内が送られます。私たち管理栄養士は、その対象者に対して3〜6カ月かけてサポートを提供します。

初回の面談は、オフラインかオンラインで顔を合わせ、40分ほどかけて状況を伝えつつ目標を立て、以降はアプリやメールを使ってテキストベースでフォロー。月に数回、体重や腹囲の数値を確認しながら、目標の進捗はどうか、うまく改善できていないならどう工夫するかなどをカウンセリングしていきます。

──フィッツプラスが提供する特定保健指導の特長はどんな点ですか?

特定保健指導を提供する事業者は、例えば運動からのアプローチなど、各社それぞれの強みを持っていますが、フィッツプラスの特定保健指導はやはり管理栄養士の指導を受けられることです。食事改善を中心にアドバイスするので、これまでの生活習慣の延長線上から取り組むことができ、また1日3回食事をされる方は3回分改善できるポイントがあります。

加えて、フィッツプラスでは、認知行動療法を用いて行動心理学を取り入れつつサポートしていけるよう取り組んでいます。できるだけハードルが低く取り組みやすい助言をするようにこだわっているので、成果にしっかりと結びつけられます。

上流から下流まで関わってきた経験を活かし、管理栄養士を統率

同僚とチームの雰囲気について話す井上さん

──現在の役割やミッション、チーム体制について教えてください。

企画部のユニットリーダーという立場で、7名のメンバーをまとめています。私たちはいわゆる本部で、全国にいらっしゃる管理栄養士さんの稼働管理や採用、研修、労務まわりの対応を務めるのがミッションです。管理栄養士さんは働き方がさまざまで、フルタイムの方もいれば、ライフスタイルに合わせて働ける時間を調整しながら勤務している方もいます。

だからこそ、バックグランドを理解しつつ、就業時間など細やかなフォローが重要です。また、久しぶりに業務をされる方はスムーズに業務に入れない場合があるので、クオリティ担保という意味でもサポートに力を入れています。

また栄養指導の基盤となる、マニュアルづくりも大切なミッション。年に1回改定をかけてブラッシュアップしています。

──知識や経験が必要そうなお仕事ですが、井上さんはこれまでどんなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?

さかのぼると、小さいころに食物アレルギーがあった影響で、食べられるものに制約がありました。それがきっかけで、食に関する改善や対策について興味があったんです。その流れで、学生時代に管理栄養士の資格をとりました。

新卒では、健康食品を扱う通販会社に入社。コールセンター配属で、オペレーターの方の管理や研修を担当していました。そこから転職し、生活習慣病を持つ方に向けた「宅配食」を販売している会社に移りました。営業兼オペレーターという立ち位置で、患者さんに、疾病に応じた食事療法をアドバイスする仕事でした。

メドピアに転職したのは、前職で患者さんに食事のアドバイスをしているうちに「生活習慣病にかかる前の段階から、何かサポートを届けられたらいいな」と思ったのがきっかけです。生活習慣病予防につながるような仕事に興味を持ち、食の面から特定保健指導に携わりたいと考えるようになりました。

──さまざまなキャリアを歩まれた中で、どのような学びがありましたか?

実は、フィッツプラス入社時は営業職として採用され、対象者となったメタボリックシンドロームの方に「特定保健指導に参加しませんか?」とご連絡をしたり、健康保険組合に対してフィッツプラスの導入をおすすめしたりする仕事をしていました。こうして特定保健指導の上流部分を理解し、業務を経験してこられたことが、今の仕事に活きています。

たとえば社内の他の部署が何を思っているか、どんなことにハードルを感じているかがわかるので、営業やオペレーションチームとの間に齟齬が発生しないよう、全体を捉えながら調整することができます。さまざまな視点に立てるのは私の強みかなと思います。すべての経験が今につながっている感覚がありますね。

実際、さまざまな立場で業務をしたことで、直接のお客様である健康保険組合とエンドユーザーである対象者との意識のギャップに気付くこともできました。健康保険組合の方々は組合員の方々に健康になってほしいという意識をすごく強く持っておられますが、一方の対象者の方とお話ししていると、まだ未病の段階なこともあり、実はそこまで意識が高くない。
そのギャップを埋めることが管理栄養士の仕事だと思うようになりました。サポート期間中に関わっていくうちに対象者の方もはっとされる瞬間がきっとあるので、その瞬間により多くの管理栄養士が立ち会えるよう導いていくというのが、今の私のやりがいになっています。

2024年4月から特定保健指導のルールが変更に。新基準にいかに答えるか

今後の特定保健指導の取り組みについて話す井上さん

──特定保健指導のルールが、近々変わるそうですね。

はい。特定保健指導自体は2008年から制度が始まっているもので、徐々に「メタボリック」「メタボ」という言葉が浸透していきました。以降、定期的に制度やルールが見直されてきています。
 
2024年4月からは、より成果を重視する形にルールが変わります。これまでは、改善に向けた取り組みを推奨するという形でしたが、今後は体重や腹囲の数値をしっかり追うようになるのです。
 
健康保険組合からすれば「成果をしっかり出せるサポーターに入ってもらいたい」と思うのが当然の反応でしょう。競合他社と比較する際に、具体的な成果がどのくらい出ているのかでジャッジされるようになると思うので、サービス内容をさらにブラッシュアップする必要があります。

──具体的に、サービスをどのように変えていく予定ですか。

成果を出すためには、対象者の行動を変える必要があります。行動経済学・心理学などの学術的な観点も取り入れながら、実際に毎日の過ごし方が変わるのかという視点で、サービスを見直していこうと思っています。

とはいえ、結局は管理栄養士が対象者とどう関わるのかも外せない要素であり、私たち本部だけが頭でっかちに考えていても、なんの意味もないのが正直なところ。管理栄養士一人ひとりにまで、変化・改善の必要性を伝え、一緒にやりきることがとても大切だと考えています。

──大きな変化を迎えるタイミングですね。今、大切にしたいのはどんなことですか?

私たちはミッションとして「楽しく食べる、ととのえる」という言葉を掲げています。このミッションを、管理栄養士も含めた全員で体現していくことが必要だと感じています。

やはり食べることに制約をつけたくないし、ぜひ楽しんでもらいたい。でも体をしっかりととのえることも大事。この三拍子がしっかり揃うことで、満足いただける特定保健指導ができると思っているので、本部のメンバーだけでなく、全国の管理栄養士、また対象者の方々一人ひとりにも納得して実行してもらえるよう、関わっていきたいと考えています。

管理栄養士との距離感を縮め、サービスに磨きをかけていきたい

──入社してちょうど3年目になりますね。働く中で感じている、メドピアの魅力を教えてください。

メドピアグループだからこそ、IT面で強みがあると思います。フィッツプラスではその技術を活かして遠隔環境を整え、お客様にとって参加しやすいシステムを整備してきました。今後も、自社のITのツールを駆使することで、競合との差別化を図っていければと思います。

──今後、サービスにおいて挑戦したいことはどんなことですか?

先ほどお伝えしたように、2024年4月から特定保健指導に求められるものが変わり、数字で成果を出す必要が生じます。難しいもので、未病の方に対して生活改善を促しても、多くの方は健康にそこまで意識が回っていないので、なかなか本気で取り組んでいただけません。対象者にどれだけ寄り添い、どれだけリスクを伝えられるかが、前向きに取り組んでもらう上では大切です。

だからこそ、管理栄養士がこれまで以上に指導に集中できるよう、環境を整えていこうと思っています。現状はいくつかの事務作業をやってもらっているのですが、事務に時間を割く必要がなくなるよう、業務効率化を進めます。

また、管理栄養士の方々は一人ひとり独立して働いていらっしゃるので、物理的に近くにいるわけではありません。迷ったときや困ったときにどうしても質問しにくい環境です。今以上に、本部機能と管理栄養士の方との距離を近づけ、何かあったら気軽に聞いてみようと思えるような距離感を作りたいですね。

たとえば、管理栄養士に「メンター」のような存在を作り、相談のハードルを下げるなどの策を考えているところです。また、チャットのように、数十文字ぐらいでカジュアルにやり取りできる仕組みができたらいいなと思っています。

──個人として、挑戦したいことはありますか?

「未病の方を、病気にかからないようにサポートしたい」という志望動機が今、その通りに叶い、やりがいある日々を過ごせています。大変なこともありますが、どんな仕事もすべて人の健康に繋がると思うと頑張れるんです。管理栄養士の方々にもこのやりがいを伝え、みんなで同じ方向を向ける組織を作っていきたいです。本部と管理栄養士が一丸となってフィッツプラスの特定保健指導の質を磨き上げていければと思っています。

※ 記載内容は2023年11月時点のものです

フィッツプラスの特定保健指導はこちら

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