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集合知でめざす医療の再発明──リアル×デジタルで次世代型の医薬品マーケティングを

2023年4月、メドピアの理事に就任した横田 京一さん。「MXカタリスト」のポジションを兼務し、メドピアのビジョン実現に向けたサービス開発などを進めています。30年以上製薬企業に在籍し、MRからDX推進まで幅広い経験を積んできたキャリアを振り返りながら、メドピアに参画した理由、今後の展望を語ります。
(※ 就任時のプレスリリースはこちらを参照ください)


触媒として、「MedPeer」の経験価値の向上とマーケティングの変革をめざす

──横田さんの役職やミッションについて教えてください。

2023年4月から、メドピア理事とMXカタリストを兼務してきました。「MXカタリスト」とは当社独自のポジションで、「MX」には「メドピア・エクスペリエンス」と「マーケティング・トランスフォーメーション」のふたつの意味が込められています。

私自身が触媒のような役割を果たし、当社が運営する医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の経験価値を高めつつ、製薬業界のマーケティングを変革しながら、新たな価値を創造していくことをめざしています。

──具体的には、どのようなことに携わっていますか。

「集合知により医療を再発明する」というメドピアのビジョン実現に向けて、当社の持つ医師や薬剤師の会員基盤を強化したり、集合知などのアセットを活かしたサービスを開発したりしています。

また、私はMIフォースの取締役も兼任しています。MIフォースは、コントラクトMRやコントラクトMSLなどを派遣するCSO事業を中心に、医薬品やヘルスケア業界向けのマーケティングやセールスの課題に応じたサービスを提供する企業で、2022年にメドピアのグループ会社となりました。

MIフォースがこれまでに培ってきたCSO事業というリアルと、メドピアが強みを持つデジタルを掛け合わせて、MR活動のDXを推進したり、製薬メーカーと医師の効果的な情報交換を実現する「次世代型医薬品マーケティング」を開発したりするために、さまざまな先進的企業と連携しながら取り組みを進めています。それらの取り組みをとおして、製薬企業における医薬マーケティングの変革を推進、支援していくことが、私に課せられたミッションと捉えています。

課題は、新しいテクノロジーの導入やデジタルとリアルの融合

──前職の製薬企業では、どのような経験を積んでこられたのですか。

MR14年と学術担当および営業所長の経験を経て、マーケティング統括部門にてメディア戦略組織を立ち上げ、デジタルマーケティングの基礎と体制の構築を行ってきました。

その後、IT部門長に就任した際、「デジタルの時代が到来しているいまこそ、セキュリティやコスト削減に代表される『守り』のITだけではなく、『攻め』のITに取り組まなければならない」と経営陣に訴え実行。さまざまな取り組みを経験する中で、全社のデジタル革新をけん引してきました。

2017年からの2年間は、事業構想大学院大学のプロジェクト研究員として、デジタルヘルス領域で今後求められるビジネスや、アニマルセラピーのデジタル化をテーマに、大学病院や自治体に足を運んでフィールドワークを交えながら研究を行いました。

そして2019年には、「マーケティングとテクノロジーを掛け合わせる」という目的のもと、社内にマーテック戦略推進室を新設し室長に就任。幅広いDXに携わりながら、コロナ禍のような環境変化にも柔軟、迅速に対応してきました。

また、製薬業界のDXに携わってきた先進的な活動が評価されて東北大学の特任教授(客員)の称号をいただき、現在もビジネスメンタリングなどを行っています。

マーケティング部門に異動となる前は、MRとして現場で働いたり、学術部門を経験したりと、約34年のあいだに幅広い経験を積むことができました。さまざまな分野で得た経験とスキルと知識を融合してきたことが、変革に挑み続けられた理由かもしれません。

──製薬業界を取り巻く環境は、どのように変化してきたと感じますか。

コロナ禍という外部環境の変化によって、マーケティングの軸がリアルからデジタルへと急速にシフトしました。ポストコロナのいま、訪問規制が解除されてからも、単純にコロナ前の状況に戻ったわけではなく、MRが医師に面会してもらうにはその理由付け(意義)に工夫が必要になりました。医師の情報収集の仕方にも変化があり、現在はインターネットメディア(医療系ポータルサイト・Web講演会)が主流となってきています。MRが足しげく医師の元へと通うこれまでの活動からの転換を迫られていると言えるでしょう。

もうひとつ顕著なのが、ここ5年ほどのデジタル技術の急速な進化です。現在は生成AIなどが注目を集めていますが、2022年にVRやメタバース、それ以前はデータ分析などがキーワードとしてよく耳にされるなど、毎年のように新しいトレンドが生まれています。

──そうした変化の中で課題となっていることは、どのようなことですか。

デジタルとリアルをハイブリッドで活用する動きが、まだまだ進んでいないことです。日本の医療のデジタル化は遅れをとっていますが、今後はデジタルをうまく活用して治療を効率化したり、治療成績を高めたりしていかなければなりません。国も、こうしたテーマを喫緊の課題だと捉えています。

また製薬企業においても、製造する医薬品がスペシャリティ領域にシフトしてきていることを踏まえ、さらにDXを加速させる必要に駆られています。デジタルマーケティングを有効活用することで、個別の医師毎に適正化された医薬品の情報提供活動が必要になってきますし、一方でそのプロモーションの体制としては営業部門(MR)を中心として人員の適正化を図る必要があり、デジタルを活用した効率化が求められています。

そういった市場環境の中、DXやデジタルヘルスの領域で、いまメドピアが担える役割はきわめて大きいと考えています。

医薬品にとどまらず、幅広く医療やヘルスケアに貢献できる環境を求め、メドピアへ

──製薬企業からメドピアへの転職に至った経緯を教えてください。

前職時代、さらに広い領域でヘルスケアに貢献したいと考えていました。MR時代には多くの医師とディスカッションをする機会がありましたが、「この患者さんには、他社の医薬品のほうが適している」と思っても実際にはなかなか提案することができないなど、自社の医薬品だけですべてをカバーできないことに、もどかしさを感じることが少なくありませんでした。

また、素晴らしい医薬品の登場によって多くの病気で治療法が確立してきた近年は、がんや希少疾患に焦点を当てた創薬に注目が集まるようになり、これまで以上に創薬・販促の難易度が上がっています。そんな中、ようやく生み出された薬を、よりスピーディーに、より多くの臨床現場で活用していただくための支援がしたいという気持ちが膨らんできました。

そんな折、家族ががんに罹患したことが重なって、「自社の医薬品にとどまらず、幅広く医療やヘルスケアに貢献したい」という想いが強まり、転職に踏み切りました。

──なぜ、メドピアを転職先に選ばれたのですか。

事業構想大学院大学のプロジェクト研究員時代に、ヘルスケアのプラットフォームの重要性に気づいたことがきっかけです。

「MedPeer」は、ほかのプラットフォームと一線を画しています。薬剤や疾患など、多様なテーマで医師同士が情報交換を行い、全国の医師の経験やナレッジからなる「集合知」で臨床をサポートできるからです。会員数は17万人以上で、アクティブかつ熱心な会員が多く登録。ほかの医師の薬剤使用経験に関する情報収集に長けたプラットフォームであり、まさに「医師のSNS」とも言うべき独自性を備えています。

単に医師に対して情報を提供する単なるメディアプラットフォームではなく、情報共有のさらに上を行く、「経験」を共有する場を提供する「MedPeer」に大きな可能性を感じました。これからの医療を変革していく上で、非常に重要な鍵を握っていると考えています。

自分自身の可能性を広げられると思ったことも入社の決め手のひとつでしたが、加えてメドピアの組織や人に魅力を感じたことも大きかったです。

──メドピアの組織や人のどんなところを魅力に感じましたか。

前職でデジタルマーケティングに携わっていた2010年ごろから、メドピアとはお付き合いがあったんです。メドピアの会員数増加のために、連携してプロジェクトを進めた経験もありました。

メドピアのメンバーは誠実な方ばかり。常に私たちの課題に耳を傾けながら、寄り添った提案をしてくれていたのを覚えています。医師が代表を務めており、魅力的なミッションやビジョンを掲げているところにも惹かれていました。

「MedPeerがないと困る」と医師に言われるような経験共有プラットフォームへ

──メドピアで、どんな未来を実現したいとお考えですか。

Supporting Doctors, Helping Patients.」を基本姿勢として、ビジョン実現をめざしていきたいです。患者さんのことを一番知っているのは医師。「医師がより良い医療を施すために、私たちには何ができるのか」を常に考え続けなければいけないと思っています。

海外で進められている患者さん中心の医療を実現する上で、集合知が鍵となります。たとえば、新しい薬が誕生したり海外から入ってきたりしたときに、いち早く医師の手に渡って治療に活用されるためには、経験を共有し集合知を形成することがとても重要です。

「MedPeer」の価値を高め、「MedPeerがないと困るよ」と医師に言われるような、診療や医療に貢献できる経験共有プラットフォームへと成長させていきたいと考えています。

また、メドピアは予防医療、治療、介護、終末期医療と幅広い領域で事業を展開しています。現在は各事業同士がまだ強く連携できていないという状況ですが、今後は各事業が患者さん・クライアントの情報に基づいて連携し、最良の医療の提供にますます貢献できるようなプラットフォームに成長させていきたいです。

──なぜ新薬を使用する際に、経験の共有が重要になるのでしょうか。

医薬品には、用法用量や起こりうる副作用、扱う上での注意点などの情報が付随していて、医師はその情報を参考に処方したり、治療に取り入れたりします。ただ、その情報はあくまで、ある程度条件を揃えられた患者さんを対象にした臨床試験を参考にしているものです。医師が日頃向き合っているのは、臨床試験と同じ状態の患者さんばかりではありません。高齢の方や、多くの薬を服用されている方、合併症のある方などが存在します。

つまり、医薬品のパンフレットに掲載されている情報だけでは判断できないことが多いため、新しい医薬品を使うときに、医師は不安を覚え、慎重になってしまいがちです。もし、「MedPeer」で医師が医薬品を使用した事例を共有し合ったり、相談を行ったりすることができれば、医師は医薬品の使用有無を適切に判断し、より安心して治療に臨むことができるようになります。あくまで現場の医師が必要としているのは、同様な現場からの生きた声だからこそ、経験の共有が重要なのです。

──最後に、ヘルスケア領域に対する横田さんの想いを教えてください。

私は幼いころ、体が弱く頻繁に病院に通っていました。薄暗い大学病院の診察室に、ポツンと座っている子どものころの自分の姿がいまでも思い浮かびます。

いまの私があるのは、医師に助けていただいていたおかげです。また、自分の親や妻が病気になったときにも、やはり医師に助けていただきました。ヘルスケア領域は、切っても切り離せないものとして、ずっと私の身近にあるのです。

国民全員が自分の健康管理をきちんと自分で行い、心身ともに元気でウェルビーイングな生活を送れるような世界をつくりたいという想いがあります。そのためには、健康データを正確に記録し、蓄積することで、一人ひとりが自身の健康状態を把握して、自分で意思決定ができるようになることが欠かせません。ヘルスケアの領域でソーシャルグッドな取り組みを進め、医療に貢献していきたいと考えています。

※ 記載内容は2023年11月時点のものです

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