医療の現場に立ち続けた一人の医師が、時代の壁を乗り越え、医師たちを支えるプラットフォームを創り上げるまでの20年。その背景には、"Supporting Doctors, Helping Patients."（医師を支援すること。そして患者を救うこと）という揺るぎないMissionがありました。
メドピアが歩んできた道のりと、新経営体制での今後について、メドピア創業者であり取締役会長の石見陽さんに伺いました。

「医療不信」真っ只中の創業

メドピアは2004年に創業し、2024年で20周年を迎えました。
創業当時の日本は医療不信が渦巻く時代でした。医療現場の慢性的な人員不足・非効率から医療事故が頻発し、医師への風当たりは厳しく、世間から冷ややかな視線を向けられていました。当時、私は医師としてキャリア5年目。朝から晩まで働き、週末も休みなく患者さんと向き合う日々でした。しかし、そんな献身的な努力が報われるどころか、社会からは疑いの目を向けられるのが現実でした。

だからこそ、この状況を変えたいと強く思いました。医療の本質は決して完璧な解答があるものではありません。不確実な状況の中で患者さんのために尽力する医師たちの姿があります。彼らをバッシングするのではなく、真に支援することが、患者さんを救い、社会をより良くする道だと信じました。
この信念を実現するため、"Supporting Doctors, Helping Patients."というMissionを掲げ、企業として取り組みを世の中に届けることを決意しました。

会社の運命を変えたターニングポイント

メドピアが誕生してからの20年は、まさに駆け抜けるような年月でした。医師として患者さんを直接救うことも重要な使命ですが、この会社を通じて医療現場全体に価値を届けることこそ、もう一つの大切な使命だと考えてきました。その思いは20年を経ても揺らぐことなく、むしろ意義をますます実感しています。
会社としての運命を分けたターニングポイントは、2011年の東日本大震災でした。当時、私たちの事業は成立するか否かの瀬戸際にありました。医師として直接に支援する選択肢もありましたが、私は「事業」という道を選び、この会社を通じて広く、長く価値を提供することを決意しました。
この選択が転機となり、私たちの事業は本格的に軌道に乗り始めました。困難が報われる瞬間でもあり、MissionやVisionの意味を改めて見つめ直し、その力強さを確信した特別な年でもあります。

"Supporting Doctors, Helping Patients."を体現

メドピアのMissionである"Supporting Doctors, Helping Patients."を具現化したのが、医師集合知プラットフォーム『MedPeer』です。このプラットフォームは、医師同士が知識や経験を共有し合える「集合知」の力に注目し、それを基盤として構築されました。時間や場所、診療科を問わず、医師が連携できる環境を提供することで、個々で抱えていた課題を解決し、医療現場全体を底上げする仕組みを実現しています。
その象徴が「薬剤評価掲示板」です。この掲示板では、他の医師がどのように患者さんと向き合い、治療を工夫しているかを知ることができます。治療に行き詰まった時や新たな選択肢を探す際、掲示板に集まる知見が医師たちの頼れる味方となります。この仕組みが医療現場の課題解決を後押しし、多くの医師に支持されています。

私たちはこれからも挑戦を続け、このプラットフォームを単なる情報共有の場にとどまらせることなく、臨床に欠かせない存在へと進化させていきたいと考えています。

10年後、20年後の医療の未来を創る人材を育てたい

10年、20年先を見据えたとき、私たちはこのプラットフォームを通じて、多様な人材を輩出し続ける組織でありたいと考えています。時代の変化とともに、終身雇用が主流ではなくなる中、メドピアのMissionである "Supporting Doctors, Helping Patients." を軸に、強く結びついた人材が集まっています。ここでは、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が自身の経験を活かし、新たな挑戦を続けています。
そして、ここで得た経験をもとに、広い医療の世界に羽ばたき新たな価値を生み出す――そんなキャリアの在り方も、私たちは素晴らしいと信じています。志を持った人材を輩出する組織を目指していきます。

新たな価値の創造に向けて

この1年、メドピアは構造改革に全力で取り組んできました。限られたリソースの中で、真に優先すべき領域を見極め、新たな価値を創造する準備を進めてきました。この改革は通過点であり、私たちはさらに進化を遂げるべく挑戦を続けていきます。医療やヘルスケア分野で、より深い社会貢献を果たせる組織を目指し、歩みを止めることはありません。

新たな経営体制のもと、メドピアは”Supporting Doctors, Helping Patients.”というMissionを胸に、医療に関わるすべての人々が価値を共創できるプラットフォームを提供し続けます。医療従事者、患者さん、そして社会全体にとって欠かせない存在を目指し、次なるステージへ挑戦します。
私たちとともに、新しい未来を切り拓くその一歩を踏み出していただけることを心から願っています。メドピアの挑戦は、ここからさらに加速します！

石見さんへのインタビューの全容はこちらから

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