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「パーソナライズ」と「リアル×デジタルの融合」──メドピアが新たに挑む、製薬企業・医療機器メーカー向けマーケティング

コロナ禍で医療業界でも急速にデジタル化が進み、ビジネスのスタイルも大きく変化しています。入社以来、製薬企業向け事業に携わってきた執行役員・七久保 卓郎さん。これまで七久保さんが力を入れてきた事業や、メドピアならではの戦略、今後の展望などについて話を聞きました。


コロナ禍で急速に進んだ医療業界のデジタル化

メドピア 七久保さんインタビュー

──現在、七久保さんが管掌されている事業について教えてください。

七久保 「メドピアには製薬企業・医療機器メーカー向けにマーケティングや営業支援をする『集合知プラットフォーム事業』、医療機関・医療現場の業務効率化をサポートする『医療機関支援プラットフォーム事業』、企業の人事部門や健康保険組合を通じて従業員やその家族の健康を支援する『予防医療プラットフォーム事業』の3つの事業セグメントがあります

とくに私が管掌する『メディカルビジネス事業部』は集合知プラットフォーム事業の主力部門であり、主に製薬企業による医師向けのマーケティングや営業活動をデジタルで支援しています」

──コロナ禍になって社会全体でデジタル化が進み、ビジネスのスタイルは大きく変化しています。ヘルステック業界ではどのような変化がありましたか?

七久保 「まず、医師が変わりました。意外に思うかもしれませんが、医療業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)はおろか、IT化もまだ未整備の部分が多いんです。ですので、医師もアナログなタイプの人が多かった。ところがコロナ禍になって、デジタルツールを使わざるを得ない状況になった。コロナ禍がなければ5年はかかっていたであろうデジタル化が、半年ほどで一気に進みました。

医師とともに、製薬会社も変化を遂げています。製薬企業もコロナ禍以前は同様で、MR(医療情報担当者)は訪問営業中心で動いていました。しかし、コロナ禍で医療現場のデジタル化が進んだことによって、オンライン面談を導入するなど営業スタイルが変わってきています」

──デジタル化の加速は、メドピアにとって追い風ですね。

七久保 「はい、大きなビジネスチャンスだったと思います。一方で、ライバルも増えました。

もともと医療業界はさまざまな規制による制約を受けて、アナログの要素が多い産業でした。それがコロナ禍によってオンライン診療やオンライン医療相談などデジタル・サービスの導入や利用が急速に進んだことで、それを商機と捉えた生きのいいスタートアップ企業がどんどん参入してきています。

スタートアップ企業は大企業と比較すると、自由で斬新な発想をもとにスピード感をもってアクションすることができますから、私たちにとっては脅威ですね。とは言え、メドピアもさまざなチャレンジをしています。これまで築いてきた盤石な体制がありながら同時に、スタートアップとして新しい事業に挑戦できる点は、メドピア独自の強みだと思っています」

徹底したパーソナライズで医師がほしい情報を届け、製薬企業につなげる

メドピアインタビュー記事

──メディカル事業部が行っているマーケティング支援の特徴を教えてください。

七久保 「私たちの主なクライアントは製薬企業ですが、翻って製薬企業にとっての顧客は『医師』です。製薬企業は、顧客である医師が求めているタイミングで有益な情報をわかりやすく伝えていかなければなりません。

ですので、私たちが求められていることは、製薬企業がめざす医薬品マーケティングが実現できるような支援を行うことになります。それを実現するため、私たちはいま、『パーソナライズ』と『リアル×デジタルの融合』の2点に力を入れています。

1点目の『パーソナライズ』とは、一人ひとりの医師のニーズに合った情報を発信することです。医師ごとに得意とする領域も、薬に対する理解度も違いますから、パーソナライズはとても重要です。

国内医師の半数以上が登録する医師専用コミュニティ『MedPeer』には、さまざまなデータが集積されています。それらのデータを分析することで、『どのような特徴を持つ医師が、特定の薬剤情報を知りたがっているのか』『薬剤の処方において、医師はどのようなことに悩みや不安を抱えているのか』など傾向や特徴を洗い出すことができます。

メドピアではデータ分析から得られた結果を製薬企業に伝えるだけでなく、結果にのせて私たち自身が考えた仮説やマーケティングプランを積極的に製薬企業に提案しています。そうすることで、次に取るべきアクションを製薬企業が自ら具体的に思い描くことにつながっています。このような付加価値を提供できることがメドピアの強みであると考えています。

さらに、メドピアが考えた仮説やマーケティングプランが医療業界全体の課題解決につながるものであると判断した場合は、個別のクライアントへの提案に留めず、新しいサービスとして事業化し、展開を進めることもあります。既存のサービスの提供で終わらせずに、新しいサービスを一緒に作っていくところは、『メドピアならでは』の特徴かもしれません。

──データ分析によるパーソナライズには、七久保さんが立ち上げに参加したメドクロス社の技術が生かされているそうですね。

七久保 「メドピアは2020年に高度なアルゴリズム技術を持つ株式会社PKSHA Technologyと、合弁会社『メドクロス株式会社』を設立しました。メドクロスが行っている事業は、メドピアグループが保有する医師や生活者のデータを解析し、製薬企業や医療機器メーカーに効率的かつ効果的な課題解決やマーケティングを実現するためのコンサルテーションを提供するというもの。とくに『MedPeer』は医師の投稿で成り立っているサイトなので、寄せられた生のコメントを元データとして分析を行っている点が特徴です。

膨大なデータを分析することによって、医師がどういうことに興味を持っているのか、なにを知りたいのか、なにが気になっているのかが見えてきて、本音に近い声をデータ化して製薬企業に提供できる──。メドクロスによってそんな仕組みを作っていきたいと考えています」

──2点目の「リアル×デジタルの融合」についても、教えてください。

七久保 「医療はすべてデジタルで完結できるわけではなく、やはり『人間だからこその温かみ』は欠かせません。私たちはデジタル技術を活用してサービスを提供していますが、人と人とのリアルなふれあいをとても大切にしていて、デジタルだけでなく『リアルなチャネル』も用意しておく必要があると考えてきました。

たとえばコロナ禍ではMRが医師に直接会う機会は激減しましたが、医師に『コロナ禍だからすべてデジタルで薬品の情報を拾ってください』と言ったところで、医師は忙しいですよね。直接会えないにしても医師が必要としているときにすぐに情報を提供、提案もできるリアルなMR(医薬情報担当者)はやはり必要です。

メドピアは2022年10月に、MR(医薬情報担当者)やMSL(メディカルサイエンスリエゾン。高度な専門知識を持って最新の治療法や医薬品の適正使用を推進する専門職)の派遣サービスを提供するMIフォースを子会社化しました。

『MedPeer』には医師会員とMRが双方向にコミュニケ―ションできる『MedPeer Talk』があり、薬剤に対する参考情報の提供や医師の質問に対して1対1でタイムリーに対応することができます。そういったオンラインでの迅速かつ効率的な情報提供にあわせて、MIフォースが傘下になってリアルチャネルを使える部隊が加わったことで、一層、一人ひとりの医師のニーズに寄り添った情報提供が実現できます。

これはスペシャリティ領域への取り組みを加速させている製薬企業のニーズに合致した新たなマーケティングサービスの提供にもつながるもので、私たちにとって大きな力です」

徹底的な「現場目線」で戦略を考える

メドピア 製薬マーケ

──ヘルステック事業に参入する企業が増える中で、メドピアはどのような存在でありたいとお考えですか?

七久保 「今、私たちに求められていることは、製薬企業の潮流をしっかりと捉え、製薬企業にとってなくてはならないプレイヤーになることです。そのためには、私たちが医師や患者のことを誰よりも理解し、医療現場で必要とされているサービスを提供していくことが大切です。製薬企業から『メドピアだから解決できた』と実感してもらえる存在になりたいと考えています」

──メドピアならではの強みはどういうところでしょうか?

七久保 「メドピアは代表の石見さんが現役の医師ということもあって、常に『医師にとってそれが正しいかどうか』という軸でジャッジしています。医師が真に必要としていることは何か?を徹底的に考え抜き、サービスを作り上げていく──それがメドピアの最大の特徴だと思っています。

一般的には、ビジネスにおいてクライアントのご要望を叶えていくことがもっとも重要なことだと言われています。けれども、メドピアでは、私たちのミッションである『Supporting Doctors, Helping Patients.(医師を支援すること。そして患者を救うこと)』の実現につながらないアクションだと判断した場合は、あえて“やらない”選択をすることもあります。なぜなら現場の方々にとって本当に望まれるサービスでなければ、医療の質も向上しないからです。

もちろん、クライアントである製薬企業が抱える課題を解決していくことは、私たちに求められている重要な役割です。しかし、製薬企業が考える課題の先には、薬剤を使用する医師が存在しています。

つまり、製薬企業の課題と同時に医師の課題も解決できるようなソリューションでなければ、真の課題解決とは言えないのです。ですので、私たちは医師をはじめとする医療現場の方々の声も徹底的に聞いていく──それを真摯に行っているのが、メドピアの強みだと思っています。

挑戦するマインドを持った仲間と新たなサービスを作っていきたい

メドピア 七久保

──メドピアでともに働く仲間に期待したいことを教えてください。

七久保 「『失敗を恐れないこと』です。新たな価値を生み出していくためには、失敗はつきものです。新しいサービスなんて簡単に作れないし、そうそう成功するとは思えないかもしれませんが、それでも果敢に新しいことに挑戦する、うまくいかなければピポットして変えていく──挑戦者はそういった気概をもつべきだし、メドピアとしても、大事にしていきたい点ですね」

──最後に、メドピアに関心を持ってくださっている方にメッセージをお願いします。

七久保 「今、医療業界は大きな変革のタイミングにあります。メドピアには新しいことに思いきり挑戦できる環境が用意されています。そこにチャレンジャーとして飛び込んできてくれる人と、ぜひ一緒に働きたいです」

※本記事は2023年3月に別ブログで公開した記事を転載したものです。


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