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新しい事業の扉を開くスペシャリストとして。プロダクトの価値を高める戦略を担う

2022年にメドピアに入社以来、新規サービスの企画を担い、今はプロジェクトリーダーとしてチームをけん引する仲舛 盛一郎さん。
スタートアップ企業の立ち上げを何度も経験するなど、これまでも挑戦を重ねてきた仲舛さんが、なぜ入社を決断し、どのように新しいプロダクトに向き合っているのか。その想いを語ります。


生成AIを活用したプロダクト「AI論文検索」が、医療の未来を切り拓く

メドピア仲舛 盛一郎

──現在仲舛さんが担当されているお仕事の内容について教えてください。

メドピアで運営している医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の、新規事業立ち上げを主に担当しています。医師の方々から医療現場での課題・要望を汲み取り、新規のサービスに反映させていくこと。そして「MedPeer」を大きく成長・加速させていくことが私のミッションです。

──「MedPeer」を成長させていくために、仲舛さんはどのような役割を担っているのでしょうか?

私は新規事業の立ち上げと、マーケティング分野を強みとしてメドピアに入社しました。マーケティングの観点から「MedPeer」を成長させるために必要だったのは、利用する医師の方々に必要とされるプロダクト。これまで約60人の医師にインタビューを行い、数十回に及ぶアンケート調査を実施して、医師が感じている課題を汲み取ってきました。

その中でわかったのは、医師は「患者さんにより良い医療を提供したい」という強い想いを持っていますが、それは医師の奉仕の精神で成り立っていたり、構造的な要因で実現が難しいシチュエーションが存在したりしているということでした。

そこでより良い医療を提供するために臨床現場の根本的な課題を解決する数十個のサービス案を立案・検証して、科学的に絞り込んでいきました。そしてまずは生成AIを活用した新規プロダクトをスタート。プロジェクトリーダーとして開発に携わっています。

──生成AIを使った新規プロダクトとは、どのようなサービスですか?

AI論文検索(※)」というサービスです。診察や治療を行う中で、医師はそのエビデンスとなる論文を検索します。しかし調査の結果、論文検索の作業には30分から1時間ほどの時間が取られてしまうことがわかりました。

これには大きく2つ理由があります。ひとつは医学の研究はグローバルが主流なので基本的に英語で執筆されていますが、意外にも多くの医師は英語を得意としていません。

さらに、現状もっとも利用されている医学論文検索サービスは、われわれが日常的に使っているGoogleなどの検索エンジンのようにただキーワードを入力すれば欲しい論文が見つかるわけではなく、入力キーワードを精査したり、検索式(AND,OR,NOTなどを組み合わせたもの)を活用したりする必要があり、欲しい情報が簡単に見つからないのです。

そこで、新しいプロダクトでは生成AIを活用し、最終的に5分以内で、抱えている臨床上の課題解決につながる情報が得られる、そんな新しい体験を届けられるサービスをめざし、開発を進めています。

※AI論文検索について、動画でご覧になる場合はこちら

お客さまが抱える課題を明確に捉えて、プロダクト開発へとつなげていく

メドピア 代表取締役 石見さん、仲舛さん

──「AI論文検索」の開発経緯を教えてください。

生成AIの技術が今年の初め位から台頭してきて、この技術を使って「論文検索」を新しく効率的な体験にできないだろうかというのが、プロダクトの着想になりました。しかし、論文検索に課題を抱える医師の方がいても、同じ不便を感じている人がどれくらいの規模で存在するのか、市場規模を把握することはビジネスを成長させていく上で非常に大切です。その調査に労力と時間を割きながら、開発を進めていきました。

──開発を進めていく上で、もっとも苦労したことは何ですか?

ビジネス・マーケティングの視点と、開発・エンジニアの視点とは、どうしても隔たりがあります。プロダクトに責任をもつ立場として、開発メンバーと一枚岩になって目的に向かうチームを組成することがもっとも重要で大変な仕事でした。

たとえば納期に関して、ビジネスサイドから売上目標や競合状況などからこの日までにはリリースしたいという要望があったとします。他方エンジニアサイドは、安定した品質のプロダクトをユーザーに届けるための実装を仕様から外すことについて慎重になります。どちらも顧客へより良い価値を提供したいという思いが根底にあるため、お互いがきちんと腹を割って話しあうことが、私たちにとって大事なプロセスだったと感じています。

──仲舛さんが「AI論文検索」の開発に携わっていく中で、一番の学びになったのはどういったことですか?

顧客が自分で構造的に整理できていないニーズを正確に把握していくことが、プロダクト開発の要になることを学びました。「目の前の医師が抱えている課題を解決する」ということにフォーカスし、実際に医師の方々にインタビューをして、生の声を聞いていったことで、抱えている課題がはっきりと見えてきたのが一番の学びだったと思いますね。

スタートアップ企業の立ち上げで、ゼロからイチを生み出す経験を積む

──仲舛さんはメドピアに入社する前に、3社のスタートアップ企業を経験されています。どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?

1社目は、大学3年時にインターンとして働き始め、その会社に新卒入社しました。そこでは営業戦略やマーケティング戦略の立案・実行に携わり、分析やマーケティングの中でもプロモーション、CRM(Customer Relationship Management)のスキルを身につけて、その経験が今でも自分の基盤になっています。

そこで学んだことは、プロモーション担当として成果を上げたとしても、ビジネスとしてはうまく行かないことがあるということ。マーケティング・プロモーションだけではビジネスとしての成功に再現性が持てないことを身をもって知ることができました。

そこで、プロモーション以外に事業の成否を左右するスキルを身につけるために『ゼロからスタートしたい』と当時まだ資金調達も実施していないスタートアップ企業への転職を決断しました。

──それが2社目ですね。そこではどのようなことを学ばれたのですか?

2社目では事業を最大化するために必要な、マーケティングの4Pについて、実践を通してあらためて学びました。プロダクト(商品)・プライス(価格)・プレイス(流通)・プロモーション(販促)の4つの構成要素それぞれと掛け合わせることの重要さを学び、名前も形もない新しいサービスを立ち上げるという体験をそこで積みました。

そして、また新たな環境へ飛び込んだのが友人と一緒に起業した3社目のスタートアップ企業。そこで学んだのは、事業の根幹はプロダクトであるということ。プロダクトが明確に、顧客にとって使う価値があり、その上できちんとしたプロモーションをしていかないと、ビジネスとしてはいびつな構造になってしまう。私にとって大きな気づきでした。

──次々と新規事業を立ち上げながら、2022年にメドピアへの入社を決めた理由はなぜだったのでしょうか?

第一に、4Pの要素をすべて任せてもらえるというのが私にとって挑戦になると考えました。もうひとつ決め手になったのは、最終的な顧客が身近にいることが、自分にとって重要な位置を占めると、これまでのキャリアを通して思っていたことでした。つまり、自分の家族・友人にとって意味があり、関わりがあるサービスであるかどうか。

メドピアが掲げる「Supporting Doctors, Helping Patients.(医師を支援すること。そして患者さんを救うこと)」という理念、医療を支援するというのは、まさに身近な人たちにも関わりがある、求めていたプロダクトだと感じました。仕事に対して、何か迷いが出てきてしまった時に、「身近な人のためになる」というのは自分にとっての軸になると確信したのです。

企業価値を高めるために、プロダクトのさらなる成長を目指す

──新規事業の立ち上げに多く携わられていますが、そのおもしろさはどこにあるのでしょうか?

不確実性をどうコントロールするのかというのがとても難しく、おもしろいポイントだと思っています。新規事業というのは、ゼロからイチを立ち上げて、価値を感じていただくものを作っていかなければなりません。

その過程では、不確実な要素に対して、仮説を立てて検証を積み重ねていく。いろいろな情報収集を行い、解決できる課題を見極めてカタチにしていく。最終的に顧客にとって価値のあるものを創造して、社会貢献につなげていくのが新規事業の立ち上げです。

これは、自分の子どもを見守るような感覚に似ているのではないでしょうか。プロダクトを生み出して、成長していく姿を見ていくような。そこに一番のやりがいを感じています。

──仲舛さんが今後、進めていきたいこと、挑戦したいことを教えてください。

まずは「AI論文検索」をしっかりと顧客にとって価値のあるプロダクトにしていきたいと思っています。現状はまだα版で、山の一合目といったところ。今後はキーワード検索での対応など、より臨床で利用しやすいようサービスをアップデートしていき、さらに短時間で必要な情報が得られる世界をめざしています。

医師の方々には、実際に使ってもらって、フィードバックもいただいています。「画期的なプロダクトだね」という評価の声も。まだまだ取り組むべき課題があるため、課題を特定しつつ、プロダクトに反映し、私たちがめざすところに近づけていきたいと思っています。

価値の高いプロダクトを生み出して、メドピアの企業価値を高めていくことが、これからの私にとって一番のチャレンジです。

※ 記載内容は2023年12月時点のものです

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