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【医師調査】医師国家試験の「臨床問題」って医療の現場で本当に役に立つの?

2月8日から2日間にわたって「医師国家試験」が実施されました。医学生のみなさんは医師になるために猛勉強をするわけですが、医師国家試験で出題される「臨床問題」は、果たして実際の医療現場で役に立っているのでしょうか?
医師集合知プラットフォーム「MedPeer」にて、『医師国家試験の「臨床問題」は、実際の現場でどの程度役立っているか』について、現役医師の皆さんに質問が投げかけられました。


90%以上の医師が「役に立っている」と回答!医師のコメントをご紹介

臨床現場で大いに役立っている

40代 男性 勤務医 小児科 代謝・内分泌科 救急医療科 産婦人科 総合診療
初期研修医の時、優秀な同期の女医が、上級医に「学んだ内容と実臨床のギャップに困る事が有る」と言っていたが、自分はその後も長く医師を続ける中で、「そこまでギャップあるか?」と思い続けている。むしろ、医師国家試験を受けた際は「変人が問題作っている」と思っていたが、医師としての経験が長くなるにつれ、「これは実臨床にも繋がる良い問題だ」と思うケースが増えているように思う。

50代 男性 勤務医 アレルギー科 小児科
他科のことはわかりませんが、自身の診療科に関しては実際の臨床の場で遭遇する症例と国試での臨床問題の内容は、ほぼほぼ一致しています。

40代 男性 勤務医 呼吸器外科
救急外来をやっていて「国家試験かよ!」って突っ込みたくなるような典型的な慢性硬膜下血腫の人が来ました。


臨床現場と異なる点もあるものの、役立つことの方が多い

40代 男性 勤務医 小児科
医療に限らずどの業界でも試験と現場は異なります。現場に出てくるまでに押さえておくべき最低限の知識を得るという点においては有用と思います。しかし、中には知識があやふやなまま、ぎりぎり合格してしまった研修医の先生方がおられます。このような先生方が現場に出てきた時に、国試レベルの知識すらほとんど覚えていない事があり、指導が大変になります。

40代 女性 勤務医 循環器内科 一般内科
国家試験勉強なんて何も役立ってないと思った時期もありましたが、研修医の最初は診断・治療よりも仕事を覚えることの方に必死だったからなのかなと今では思います。時代が流れて治療方法も大きく進歩した今でも国家試験の勉強がベースになっていると感じることが多くありますので、役立っていると思います。

50代 男性 勤務医 泌尿器科 腎臓内科・透析
専門分野以外は国試の知識程度しかないのでそれなりに役立っていると思います。もちろん最新の薬物療法や遺伝子検査はupdateしないと無理ですがcommon diseaseは十分役立っていると思います。


臨床現場と異なる点が多いが、役立つ場面もある

40代 女性 勤務医 整形外科・スポーツ医学 リウマチ科
普段役に立ってる感はないが、診断・治療中に壁にぶつかった後、先が開けた時に「ああ、国試で勉強した!」となることがあります。1回臨床で経験すると、その知識は忘れないようです。

30代 女性 勤務医 救急医療科 集中治療科
試験問題の知識では臨床をやる上で全然足りないのは承知ですが、自分が関わる機会の少ない科の知識は、国家試験勉強で得た知識が今も役に立っています。

60代 男性 開業医 一般内科
国試には稀少疾患が結構出題されたので、思いもよらない疾患に遭遇した時に、国試のために勉強した知識が診断の糸口に繋がったことがあります。


臨床現場とは異なるが、医師としての基盤形成などには役立っている

30代 男性 勤務医 一般外科
さすがに国試で勉強したお陰で臨床がスムーズにできている、なんてことは無い。ただ、なんだかんだ初期研修でも触れなかったような領域の話だったりすると、「そういう話聞いた気がするよなあ」となって、調べる為のアタリがつきます。
中学受験の社会科の知識が大人になってから効いてくるように、国試の勉強もそういう基盤の一つなんじゃなかろかと思います。

40代 男性 勤務医 麻酔科
確かに国試でしか見ないような稀な疾患も多い印象ですが、逆に言えば学生の頃にこれらを勉強しないと将来的には絶対勉強しないので、これはこれで試験としては良いのかと思います。

40代 男性 勤務医 救急医療科
国試の問題は一症例につき基本的に疾患は一つだが、実臨床では複数の疾患が重なっていたりするのでそのままでは役に立つことはないが、考え方などについては役立っていると思う。


試験の内容はほとんど役に立たない

60代 男性 勤務医 一般内科
試験は必要な検査結果が羅列されているが、そもそも現場では検査の選択を想起するところから必要なので。

50代 男性 勤務医 精神科 心療内科
年齢とともに、国家試験の記憶は薄れ、実臨床では、ネットやAIに聞いて自己研鑽しています。

40代 女性 勤務医 小児科 漢方医学 神経内科
臨床問題と同じような症例は経験したことがないが、考え方は役に立つと思う。

【結論】医師国家試験の臨床問題は実際の医療現場でも役立つ!

多くの医師が医師国家試験で得た知識が実臨床で役立っていると感じているようです。例えば、稀な疾患や基本的な診断方法など、医師国家試験で学んだ知識が実際の診療に直結する場面も多く見られます。
ただし、疾患の複雑さや症例の多様性を考慮すると、試験問題がそのまま役に立つわけではないこともあり、医師として日々研鑽を積むことが不可欠です。

医師のキャリア全体を通じて、医師国家試験で学んだ知識は少なからずとも実際の医療の現場で役に立つことは間違いありません。これから医師を目指す皆さんにはぜひ、医師国家試験での学びを大切にしていただきたいですね。

調査の全文はこちら ※医師会員限定https://medpeer.jp/forum/surveys/0d9WUs7JW2fp


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