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メドピアグループ生成AI活用キーパーソンの軌跡

2023年5月に入社し、メドピアグループ・株式会社フィッツプラスでPMを務める古川 陽大さん。現在は、チームに課されたミッションに加えて、メドピアグループ全体の生成AI活用プロジェクトも率先してリードしています。この度、その取り組みが評価され、社内表彰制度にてMVPを受賞されました。
「やるべき仕事」だけでなく「やりたい仕事」のために奔走する、その想いを語っていただきました。


特定保健指導のプラットフォーム実現へ

現在のお仕事について教えてください。

現在はプロダクト開発部にて、既存システムの改修・新規機能の企画開発や、クライアント向け新規事業の企画・立ち上げ等を主に担当しています。同じチーム内には特定保健指導のルール変更対応(※1)を担当しているメンバーもおり、手分けしながら進めています。
またそれと並行して、組織を越えて、メドピアグループ全体の生成AI活用を推進していく取り組みを意識的に行っています。

※1.フィッツプラスの特定保健指導、2024年4月のルール変更についてはこちらも参照ください

クライアント向け新規事業とは、どのようなサービスを開発されているのでしょうか?

いくつかありますが、そのうちの一つとして、フィッツプラスが提供する特定保健指導のDX支援ツール「Tonoel(※2)」の開発を進めています。

これまで、フィッツプラスでは「Tonoel」を利用して健康保険組合が特定保健指導に関する業務のデジタル化・効率化を支援してきました。今後はさらに発展させ、「Tonoel」のプラットフォーム化を図っていきたいと現在取り組んでいます。

最初「Tonoel」の基本的な用途としては、特定保健指導対象者の個人情報や指導履歴の管理として使用されてきました。現在は、例えば、対象者に対する通知文書をシステムから一括で出力できるようにするなど、個人情報管理以外の特定保健指導に関わる周辺業務もデジタル化できるよう、更なるプロダクトの深化を目指しています。また「Tonoel」に蓄積した特定保健指導データを元に相対的な分析を行い、申込率の高い通知文作成サポートやアウトカム(※3)向上施策の提案など、特定保健指導の質を向上させるための課題解決ツールとして展開していきたいと取り組んでいます。

加えて、現在はフィッツプラスが特定保健指導を受託している健康保険組合員のデータのみ扱っていますが、将来的には、機密性を確保したうえで他の健康保険組合でも「Tonoel」を使ってもらえるよう、プラットフォームへと深化させていきたいと考えています。

※2.「Tonoel」についてはこちらも参照ください

※3.アウトカム:特定保健指導の質を、例えば「腹囲2cm・体重2kg減」などといった成果により評価しようとする考え方

生成AIを鍵に、社内の文化も一歩前へ

経営陣からの期待、信頼もあつい

既存システムの改修として、生成AIを活用した取り組みをされたとのことですが、詳しく教えてください。

自身のミッションには、プロダクト開発だけでなく既存の業務改善もあります。そのなかで、生成AIを取り入れた業務効率化をフィッツプラス内で進めていました。

具体的には、重症化予防事業(※4)において、担当した管理栄養士が面談ごとに報告書を作成するのですが、その報告書の校正業務を生成AIによって効率化することに成功しました。
もともと単純作業を生成AIに置き換えようと構想し進めていたものでしたが、それがたまたまグループ内の公募プロジェクトの趣旨と合致したため、全社をあげた取り組みとして推進。成果としては、単純計算で年間約500時間の業務時間の削減に寄与することができました。

※4.重症化予防事業:特定検診によって生活習慣病の治療が必要と診断された方に対して、これ以上症状が進まないよう、健康保険組合から委託を受け生活習慣改善などの面からサポートを行う事業

今回メドピアグループキックオフミーティング内での社内表彰制度「MedPeer Award」で第1四半期(2023年10月~12月)のMVPを受賞されました。その受賞の背景にも生成AIを活用したプロジェクトがあったようですが、どのようなものだったのでしょうか?

上記の重症化予防事業における生成AI活用は“今ある”文章に対する校正でしたが、それをさらに発展させ、特定保健指導で“これから作る”支援文章の自動生成にも着手しました。
特定保健指導では、管理栄養士による初回の指導は面談(口頭)で目標や行動計画の策定を行いますが、その後の継続的なサポートとしては、Webでのアンケートをもとにテキストでフィードバックを行います。その際の支援文章(テキスト)の草案を生成AIで自動生成するというものです。

特定保健指導におけるサポートは、対象者毎に指導内容ややりとりもさまざまで、全てを自動化することはできませんが、草案があることで業務効率アップに繋がっているようです。実際にリリース1か月で管理栄養士の約7割が機能を使用していただいたというデータが出ています。
具体的には1支援あたり平均3分の削減が検証結果として示されており、1年の全支援分として計算すると年間約150時間というかなりインパクトのある成果と言えます。

受賞に至った取り組みを全社に共有する古川さん

生成AI活用プロジェクトを進めるなかで、最も苦労されたのはどのような点でしたか?

このプロジェクトを進める前の社内の傾向として、開発の優先順位付けが定性的だったように感じています。極端な言い方をすると、以前は開発を提起した人の声の大きさに左右されたり、特定の場面やユーザーが便利になるだけの場合にも開発が進められたりしていました。
それを、経営目線で、収益性・事業に与えるインパクトの大きさを基準に、定量的に開発の必要性・優先順位を社内にも示しながら進めていくことに。実際苦労もしましたし、自分自身もこれまでにない新しい筋肉が鍛えられたように感じます。一度開発が進んでしまえば、メドピアグループには優秀で協力的なメンバーが多いので、部門を超えて相談もしながら、比較的スムーズに開発が進みました。

MVPとはCredoをもっとも体現した人に贈られる賞とされていますが、ご自身ではどのような動きがそれにあたっていたと感じていますか?

言語化すると「Over-communicate - 情報の非対称性を前提とした隙間を作らないコミュニケーション - 」という姿勢に集約されている気がします。

規模も大きくなってきつつあるメドピアグループ内には、せっかくの事例やナレッジが各事業部に点在しているために、集合知が活用できていないように感じていました。そこでフィッツプラス内だけに限らず、メドピアグループ横断で生成AIのナレッジを共有しアイディアを共に出し合いながら課題を解決していけるよう、自身が発起人となって、生成AIを活用した集合知を交換し合う場を作っています。

加えて、顧客や市場の実情・変化に対して、事業がアップデートできていないように感じていましたので、「ない情報は取りに行くしかない」という思いで、徹底して顧客ヒアリングに参加させてもらいました。その現場とのコミュニケーションを大事にする姿勢も評価につながったのかと感じています。

戦う企業文化を醸成し、より誇れる会社へ

仕事をするうえで大切にされているポリシーはありますか?

1つは「リアクション」です。仕事の進め方として、常に相手に対して何か返そうとする姿勢とか、身近なことで言えば、何か手伝ってもらったときにお礼を言うとか。PMは断ることも多い仕事だと思っているので、そういった日々の積み重ねが信頼関係に繋がり、仕事を進めていくうえでも大いに役立つと考えています。

またもう1つ「スピード」も意識をしています。仕事をwill(want)・can・mustで整理して、やるべき仕事(must)に最速で取り組むことで、やりたい仕事(want・can)の打席にも立つ余白・チャンスが生まれると考えています。

最後にこれからの抱負を教えてください。

生成AIもさまざまな可能性を秘めており、さらに発展させて自動返信に対応するなど、そこにチャレンジしていきたいとも考えていますが、あくまで生成AIの活用は手段です。生成AIなどを使って効率化した時間を事業の成果最大化に繋げていきたいですね。

また、現在もメドピアグループは自分にとっては居心地が良いですし、いい会社だなとは思います。ですが、さらに強い会社になれるよう、より戦う企業としての文化醸成に、自分の姿勢を見せていくことで、少しでも力になっていけたらと考えています。


フィッツプラスの特定保健指導はこちら

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