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大企業ならではの産業医選任の課題とは?調査データからポイントを解説

大企業(従業員数1,000名以上)における産業医選定に関する調査にて、約70%の企業が現在契約中の産業医に満足している一方で、約20%の企業は満足していないことが明らかになりました。
また、産業医に満足と回答した企業のうち、6割以上が過去にリプレイスを実施または検討経験ありとの結果も出ています。
そこで、今回は大企業が直面する産業医に関する課題や、産業医の選定・切り替えにあたって重視すべきポイントを解説します。

大企業 産業医選任に関する調査

大企業が産業医の切り替えを検討するきっかけとは?

大企業 産業医切り替え

調査によると、産業医のリプレイスを検討するきっかけは、「産業医の先生が高齢化(47.0%)」「産業医の方が忙しく、相談時間の確保が難しい(37.3%)」「コミュニケーションがうまく取れない(34.9%)」との回答が上位となりました。
調査結果から、大企業が直面している産業医の主な悩みを考察すると、①産業医の高齢化、②企業ニーズとのミスマッチ、③コスト(費用面)の問題が挙げられ、こういった点から切り替えの検討につながっていきます。
それぞれの課題について、詳しく解説していきます。

①産業医の高齢化

調査でも多くの方が回答する結果となりましたが、産業医の高齢化によって生じる課題も切り替えの検討につながります。
最近では、リモートワークの定着により、産業医面談にもオンラインツールの活用が増加しています。さらに、メールや健康管理システムなど、企業が利用するICTツールを産業保健活動に活用していくハードルが、高齢化により高くなる傾向があります。
その結果、本来得るべき健康管理の情報に対してアクセスしづらくなり、全社を含めたICTツールを活用した産業保健活動が難しくなると不満につながりやすくなります。

②企業ニーズとのミスマッチ

2点目は、契約後に企業が求めている法定対応と、産業医ができる業務との乖離が出てくるケースがあり、そうした場合には産業医の切り替えを検討する企業が多いです。
また、産業医としての必要な業務対応は行っているが、企業としてさらなる対応を求める場合にもミスマッチが起きやすい傾向にあります。
例えばワクチン接種などが多いのですが、産業医の役務ではないため、役務とは別に柔軟に対応できるかという点は産業医により異なってきます。

③コスト(費用)面の課題

大企業では、事業所が複数の地点に存在し、本社だけでなく、50名以上事業場においては、各拠点で産業医契約を締結する必要があります。また、事業所が増加していくにあたり、各事業所で産業医と契約する場合、委託費用や委託内容契約が事業所ごとに異なっており、管理が複雑になります。
そうなると、本社で各事業所が産業医にかけているコストや、会社全体で産業保健活動にどの程度投資しているのかの実態が把握しにくくなります。

産業医切り替え時に重視すべきポイントとは?

では、産業医の切り替えにあたって重視すべきポイントは何でしょうか?調査によると、大企業の担当者が産業医のリプレイスにおいて重視したポイントは「産業医の専門分野と自社のニーズとの関連性(41.3%)」「人柄・コミュニケーション(41.3%)」が同率となりました。

大企業 産業医 リプレイス調査

このことから、産業医の切り替えにあたって重視すべきポイントは以下の2つの要素です。

専門分野と自社のニーズが合っているか
企業が望むことと産業医ができる業務が合致しているかは、最低限確認しておく必要があります。
また、それ以外に重視すべき点として、過去の経験を基にしたアドバイスが可能となるため、依頼する企業と同じ業界に対して受託経験があるかが挙げられます。
特に、危険物などを取り扱う業界にあたっては、業界独自の知識がないと業務や職場環境改善のアドバイスもできません。業界によっても求められる知識が違う点も留意して選任する必要があります。

人柄やコミュニケーション能力
最近では、リモートワークを推進していくために、ICTツールを用いてコミュニケーションを取る企業も多く、産業医にも同様の対応を求められることも多いです。そういった場合に、対面や電話でのコミュニケーションしかできないということではなく、柔軟に対応してもらえるかという点がポイントになってきます。
また、組織風土に産業医の人柄やコミュニケーションの方法が合っているかという点も重要なポイントです。

大企業における産業医選任時の注意点とは?
最後に、大企業が抱える複数事業所での産業医選任という特徴から、産業医を選任する際の注意点を解説します。
産業医の選任時に重要な点は、以下のようなポイントを明確にしておくことが必要です。

  • 企業が期待する業務と産業医が対応可能な業務をしっかり確認すること。

  • 産業保健体制の見直しの対象範囲が、事業所単位の課題なのか(事業所、あるいは会社全体としての産業保健体制を構築する取り組みが求められるのかを明確にすること。

今回は、特に会社全体で産業保健体制を見直す場合について詳しく解説します。

委託費用だけでなく、産業保健活動全体のコスト最適化を図る

会社全体としての見直しが必要な場合は、単純コスト(委託費用)だけではなく、関連コスト※を加えたトータルコストで考えていく必要があります。
その場合、単純に産業医の派遣だけではなく、産業保健にかかる人事労務の業務を効率化できるようなツール導入も含めた対応が必要になります。

※面談件数増加に伴う産業医との日程調整や報酬計算など人事労務の稼働時間、健康診断結果の受け渡しにかかる手間・輸送コストなど

標準化を意識する

さらに大企業では複数の場所に事業場があることが前提となることが多いため、それぞれ個別で産業医契約を行うと事業場ごとに基準が生まれてしまう恐れがあります。
同じ企業の中で不平等・矛盾が生じないよう、以下のような項目において会社として産業保健活動に関連した指標を統一、標準化しておくことがポイントです。

  • 産業医の委託費用 ...各事業所でかかる産業医の委託費用

  • 就業判定基準 …労働者が就業を継続することが可能かどうか産業医が判断する基準

  • 休職判断の基準 …労働者が休職/復職すべきかどうか産業医が判断する基準

産業医導入支援企業への依頼もおすすめ

産業医の選任・切り替えにあたっては、地域の医師会や健診機関に紹介を依頼するなどの方法があります。
しかしスムーズな選任が必要な場合や全社での産業保健体制の構築、業界特性や自社のニーズに沿った産業医を選任したい場合は産業医導入支援企業への依頼も効果的です。
また、産業医の切り替えを行いたいが、自社の課題が明確にできていない場合なども、産業医導入支援企業に依頼を検討されてみてはいかがでしょうか。

【産業医導入支援企業に依頼するメリット】

  • 業界特性に応じて様々な実績があること

  • 産業医を全国に豊富に抱えているため、全事業所における産業医の選任に対応可能

  • 一括で契約できることで会社として求める業務内容と、基準の統一化を図れる

産業医についてお困りのことがあれば「first call」まで

産業医の選任について不安な方や産業医をどうやって探したらいいかわからない、自社に合った産業医を探したいなどお困りのことがあれば「first call」にご相談ください。

「大企業の満足度調査」レポートダウンロードはこちら

産業医についてもっと知りたい方は

解説者:株式会社Mediplat 産業保健支援事業部 マーケティング部 部長 遅沢 修平

上智大学外国語学部卒業後、新卒で国内大手証券会社入社。
その後SaaSスタートアップ企業に転職し、2020年4月メドピア株式会社入社。入社後は株式会社Mediplatに出向し、法人向けクラウド型健康管理サービス「first call」のセールス及びマーケティング領域を担当。
2022年5月から現ポジションに就任し、同サービスのマーケティング全体を統括。

Mediplat 遅沢さん


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