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【医師調査】学位と専門医の必要性、どう考える?

医師専用コミュニティサイト「MedPeer」にて、医師を対象に「専門医資格の取得」についての調査を行ったところ、8割以上の医師が専門医資格の取得をしていることが明らかになりました。
さらに、医師を対象に「学位と専門医の必要性」についての質問が投げかけられました。
MedPeer」会員である医師は、学位や専門医資格を取得する意義について、どのように考えているのでしょうか。


医師の約4割が「専門医資格があればよい」と回答

調査日:2024年12月1日(日)

医師の約4割が「専門医資格があればよい」と回答した一方で、学位取得の重要性を訴える声や、どちらも不要だとする意見も見られました。
「学位」は、主に研究活動やアカデミックな分野での活躍に必要とされる資格、「専門医資格」は、臨床現場での信頼性を高めるための資格として位置づけられているようです。
それぞれの意見をご紹介します。

どちらも必要だと思う

40代 男性 勤務医 一般内科 救急医療科
選択肢が4つしかないので答えにくいですが、生き方によると思います。
研究や国公立病院・大学病院などで仕事をしていくなら学位はスタート地点でしょう。
臨床でやってくなら専門医はあった方がいいでしょう。「必要かな」と悩むくらいなら取った方がいいと思います。もちろん専門医の有無と臨床能力は関係ありませんが、専門医をとることで事務処理能力や根性(?)、従順性(?)を持っていることの証明になるのだと思います。

40代 男性 勤務医 小児科
最近は学位をとってない医師、大学院生活で色々あったのか学位取得に意味がない風潮がありますが、そんなことは決してないと思います。適切な指導があれば、医師としての総合的考察力が格段に向上します。一般病院でも部長など指導者になるにはそのような資質が求められます。ただし、ここでも書いた通り、適切な指導が受けられる環境が最も重要です。しっかりとした指導者を探すことが最も重要です。

50代 男性 勤務医 神経内科
転職、就職時にどちらも要求されることがある。アカデミックな組織には絶対に行かないので博士はいらないとおっしゃる方もおられるが、少なくとも若いころから何十年後のキャリアパスがわかるはずもないので、自ら未来の可能性を狭めることはないと思う。現実にこれら、特に専門医を不要だといっている医師は、だいたい取らないというよりも取れないからいっているような印象でちょっと恥ずかしい。

60代 男性 開業医 精神科 心療内科
可能ならば、長く勉強や研究を継続するための学位取得(の経験)や、専門医に必要な最低限の勉強をする(専門医取得の経験)をした方が、長く医師として働いて行くには良いと思います。どちらかスキップするなら、学位取得ですね。私は年取ってから医師になったので、入京当時に、講師(医局長)に、「リサーチはスキップしてもよい。一通りのことはできるようになるだろう。」と言われました。

50代 男性 勤務医 小児科
専門医は対策すればいつでも誰でも取得可能。学位は論文を仕上げなくてはならず、ある程度若いうちに一定期間の訓練・修行が必要。自分は学位を取り損ねました。学位がなくても臨床するのには困りませんが、50歳過ぎてある程度上の役職につくときにあったほうがよかったと思っています。


学位(医学博士)があればよい

60代 男性 勤務医 呼吸器外科 一般外科 緩和医療 産業医
学位は、科学者として必要な考え方を身につける意味で重要である。一方、専門医は実績ある施設での勤務経験があれば必要ではない。特に、最近は何でもかんでも専門医制度を設置する学会が増えて若手医師も患者も混乱するばかりである。

50代 女性 勤務医 血液内科 一般内科
研究であれ、臨床であれ、アカデミアで活動していくのに、学位は必須だと思います。

40代 男性 勤務医 精神科
医学博士を取得する過程で考え方の基本が身につくので。


専門医資格があればよい

50代 男性 勤務医 泌尿器科
実際のところ専門医資格があればいいと思いますが、基礎的知識は疾患の理解と検査データの解釈に重要な意味を持ちます。
最終結果だけが分かっていれば同じということではないと思います。
専門家であれば自分で考える必要がありますが、その基盤がないのは問題だと言えると思います。

50代 女性 開業医 皮膚科
学位を持っていますが、就職や給与に関して恩恵を受けた記憶はありません。専門医に関しては、クリニックのHPに「専門医」と明記できるメリットがあると思い回答いたしましたが、実際は専門医あるなしに関係なく受診している患者さんが多いような気がします。専門医の更新のためにむりやり学会に行ったりオンライン受講したりする大変さを考慮すると、もう必要ないかも、と思うこともあります。

50代 男性 勤務医 心臓血管外科
専門医資格と指導医資格は、病院の研修施設認定のために、持っておく必要がありますし、勤務先は、専門医手当が付きます。国公立の病院には、大学院博士は、給与の号級が2等級上になると聞いたことがありますが、勤務先は実際に、学位を持っていても給料は変わりません。

40代 男性 勤務医 麻酔科 集中治療科
どちらもなくても働けますし、収入も困らないと思いますが、自分が何をやってきたかの証にはなると思うので専門医はあったほうがいいと思います。ただ、維持費にお金がかかるので必須だとは思いません。学位は研究したい人、希望する人だけでいいのではないでしょうか。

60代 女性 勤務医 産婦人科
両方持っています。学位が必要なのは大学でキャリアを積む人だけじゃないでしょうか。20世紀には地方の公立病院の部長は学位が必要だとか言われてましたが、今どきそんな贅沢言えるとは思えないです。専門医なくては転職、開業とも厳しいと思います。


どちらも無くても問題はない

60代 男性 勤務医 一般外科 消化器外科 乳腺・内分泌外科 呼吸器外科
研究者であるか否かにかかわらず、医師は医学者であるべきとの考えからは、学位のための医学研究に没頭する時期があってもデメリットにはならないと思います。また専門医は臨床医としての臨床経験に加えて論文や学会発表など学術的な実績も積む必要があり、臨床力を磨くための一つの手段と考えれば有用だと思います。ただ自分はどちらも持っていますが、だからと言ってこれまで何らインセンティブも他者からのリスペクトもなかったように思います。学位も専門医もなくても、人格、技量に優れた先生はたくさんいるもの事実ですし。

40代 女性 勤務医 一般内科 リハビリテーション科
必ず要ると書いて必要と読むという意味では必要ではないのかな、と思います。でないと医師免許の立つ背がなくなるじゃないですか。ちゃんと仕事されている方ならば、医学博士相当や専門医相当のご見識は持ち合わせているように思うし、称号とか資格とかがあるかないかって正直気になりません。むしろ「資格だけある人」のが問題になることが多く、資格持ちの方が警戒してしまいます。

50代 男性 勤務医 心療内科 精神科
学位(医学博士)は、公立の病院長や教授などを目指すのであれば必須でしょう。専門医資格は、それを条件としてできる施術などがあれば必須でしょう。しかし、いずれも肩書。持っていても、医師の技量・人物面で疑問を抱く先生はよく見かけます。経験上、今のところなくても困ったことはありません。

50代 男性 勤務医 整形外科・スポーツ医学
本当に才能と実力があれば、どちらも不要と思います。しかし、このご時世、患者集客にはある一定程度「肩書」がものをいうのも事実。
少なくとも、専門医の一つぐらいは持っていた方が良いように思います。
開業する場合は学位証書も飾っておいた方が、さらに集客効果が上がると思います。

70代以上 男性 勤務医 小児科
自分はどちらも取得しているが、なかったとしても大きな問題は少ない。ただ、専門医がないと取れない保険点数があったり、博士の種類によっては給料に僅かに差が出ると聞いた事はある、また、雇用される側からは持っていると有利な事があるかもしれない。

まとめ

資格の有無が必ずしも医師としての能力や信頼に直結するわけではなく、日々の診療を通じて築かれる実績の重要性も強調されていました。

医師それぞれのキャリアパスや職場環境によって、取得の有無を選択する必要がありそうです。

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