自分の手で医療業界を変えてみたい。医療DXにつながるプロダクト開発に挑戦
2022年にエンジニアとして入社したプライマリケアPF事業部・林 亜紀さん。薬局関係者向けサービス「kakari」の開発・運用を担当し、現在は「kakari調剤報酬事典」のPdMを務めています。医療従事者の経験を活かし、そこで覚えた課題感を原動力に変えてきた林さん。その熱き想いに迫ります。
薬剤師目線で使いやすさを徹底追求。「kakari調剤報酬事典」とは?
──林さんが所属されている部署の仕事内容について教えてください。
現在はプライマリケアPF事業部 事業開発部に所属し、「kakari調剤報酬事典(※)」というサービスに携わっています。これは調剤報酬に関わる情報をすべてまとめているコンテンツサイトで、「kakari」というかかりつけ薬局化支援サービスのサービスサイト上に、2023年7月に掲載開始されました。
調剤報酬とは、薬局が提供したサービスに対してどのくらいお金を計上するかを点数によって決めるもの。点数はサービスごとに発生し、現時点では全部で54の点数があります。「kakari調剤報酬事典」ではそれらの点数について、ひとつずつ詳しく説明しています。
サービスのターゲットは、薬局関係者や薬局事務、経営者、薬剤師、そして薬局会社の本部の方々です。調剤報酬に関する知見を得たいという方に、広く使っていただきたいと思っています。
※kakari調剤報酬事典についてはこちらもご参照ください。
──類似サービスとの違いはどこにあるのでしょうか?
同等のサービスと言えるものは、まだ世にはないと思っています。行政が出している資料をそのまま掲載しているサイトや、調剤報酬点数の項目全部ではなく一部だけを説明しているサイトはあるのですが、ここまで網羅的にわかりやすくまとめているサービスは「kakari調剤報酬事典」が初だと認識しています。
調剤報酬の計算は本当に複雑です。だからこそ、医療従事者の皆様には「kakari調剤報酬事典」を使って理解を深めながら、スムーズに計算をしていただければうれしいですね。当サービスは、現役の薬剤師が監修し、細かいところまで使いやすさにこだわって作り込んでいます。医療従事者の皆様の手間を軽減し、質の高い医療行為への一助になればと思っています。
──これまで類似サービスがなかったのは、なぜだと考えていますか?
純粋に作るのがすごく大変なので、リソースをかける会社がなかったのだと思います。しかも、行政の資料は定期的に更新されていくので、解釈が変われば都度更新が必要です。気の遠くなるような作業なので敬遠されてきたのでしょう。
当社も、構想は数年間温めていました。今回着手することにしたのは、私たちが「kakari」というサービスを通して薬局を支援している中で、2024年の調剤報酬改定(※)を控えており、調剤報酬に関する情報を提供する基盤を整えることで「kakari」の認知を増やしていくには絶好の機会だと判断したからです。
※報酬改定については、こちらの記事もご参照ください
医療DXという言葉を知ったとき、「まさにこれをやりたい」と思った
──部署の中での、林さんの役割は?
PdM(プロダクトマネージャー)を担当しています。サービスの企画開発に責任者として携わる立場です。チームメンバーだけでなくエンジニア部隊も巻き込みながら、より良いサービスのかたちをめざしています。
──メドピアに入社するまでは、どのようなキャリアを歩んできたのですか?
父が病院にずっとかかっていたため、幼いころから医療というものが身近にありました。その影響もあり、地元の富山県の救急医療機関で医療事務をしていました。
当時診療報酬に関わっていたのですが、行政の資料のわかりにくさに日々頭を悩ませていました。しかも、問診票やカルテ、処方箋はすべて紙媒体。患者さんの過去の情報を知りたいときは、大きなカルテ庫から昔のカルテを引っ張り出してくる必要がありました。
場合によっては一刻を争う救急医療の現場において、もっと便利にならないものかと常々思っていたので、「医療DX」という言葉を知ったときは、「まさにこれだ!」と思いました。コロナ禍により医療従事者におけるストレスが増大した際にも、「こんなに逼迫する前にもっとDXを進めておけば……」と、その重要性をあらためて感じたということも、転職を考える一つのきっかけになりました。
医療業界を変えたい、それも誰かではなく自分の手で変えてみたいと思い、エンジニアになることを決意。プログラミングのスクールに4カ月通いました。そのスクールで出会った方から、「メドピアという会社が林さんには合うかも」と教えてもらいました。調べてみたら、HPに「Supporting Doctors, Helping Patients.」というmissionが掲げられていて、心から共感。医療事務を務めていた時期から、医療を提供する側も、受ける側もどちらも幸せになるような社会を作りたいと感じていたのでぜひ入社したいと思い、志望書を出したところ、サーバーサイドエンジニアとして採用が決まりました。
──今は、エンジニアではなくPdMを務めておられますが、転身のきっかけは?
入社した段階で上司から、今後どんなキャリアパスを描いていきたいのかを聞かれていたんです。私はエンジニアとして入りましたが、もの(プロダクト)を作ることにすごく魅力を感じていたので、将来的にはプロダクト企画にも携わりたいと伝えていました。エンジニアを担って1年が経つころ、「プロダクトマネージャーになってみない?」と声をかけてもらえて。興味があったので「やります」と答えました。
──これまででとくに印象的な経験は?
プロジェクトを推進していくという立場は経験がなかったので、最初は苦戦しました。どんなサイトにしていくか、コンセプトやターゲットはどうするか、認知を広げていくためにどんな施策をやるかなど、決めることが山ほどありましたね。
大枠が決まったら開発部隊に声をかけ、リリースまでのスケジュールを共有。マイルストーンを切って順番にプロジェクトを推進していきました。エンジニアとしての経験が一部役に立ちましたが、慣れないことも多く、大変苦労しました。ただ、医療業界への課題感や、サービスにかける前向きな気持ちは全員一致していたので、メンバーの協力を得やすいという点ではとても進めやすかったです。
メドピアにしか実現できないサービスづくりに、仲間とともに挑戦する
──「kakari調剤報酬事典」はサービスとして順調ですか?
おかげさまで、累計ユーザーは約23万人、PV数は累計42万回ほどを叩き出しています。資料請求も月間100件ほどいただけるなど、反響があります。薬局の現場でお役に立てているようで、うれしい限りです。
社外からのフィードバックも受けますよ。ある薬剤師さんからは「非常にまとまっている。簡単に触れたい場合も深掘りしたい時もすぐに欲しい情報にアクセスできるので良い。すぐに周りに共有した」という感激のコメントをいただきました。使いやすさにこだわってきたからこそ、報われるような思いでした。
──仕事をする上で大事にしてきたことはなんですか?
医療に関わる情報は、個人情報の中でもとりわけ敏感に扱うべきものだと思っています。責任感を胸に、セキュリティ面に関して気を使っています。
あとは、私たちメドピアでしか実現できない医療サービスは何かというのを常に考えるよう意識しています。「kakari」や「やくばと(同じくプライマリケアPF事業部の提供する姉妹サービス)」は、患者さんと薬局や、患者さんと医療機関をつなぐプロダクト。薬局と患者さんとの関係を強固にし、かかりつけ化を支援するようなサービスを作り続けることを大切にしてきました。
──メドピアに入ってよかったなと思うことは?
やりたいことをやれる、挑戦したいことを応援してくれる、前向きな風土が整っている点です。医療やプロダクトに対する強い想いを共通言語にして、役割や経験に関わらず意見を言い合える雰囲気があります。そういう仲間がいるのは、とてもすばらしいことですよね。
地域医療全体に貢献できるプラットフォームをめざして
──今後の展望もお聞かせください。
一番の期待は、「kakari調剤報酬事典」から「kakari」の認知が広がって、「kakari」を導入してくれる薬局がどんどん増えていくことです。今は、資料請求をしてくれた方にどんなアプローチをかけていくか、戦略を練っているところです。
今後も同事業部のメンバーと、薬局のかかりつけ化支援サービス「kakari」、高度急性期病院及びクリニック向けDX支援サービス「やくばと」の開発を進めていきます。それらを全て連携させることで地域医療全体に貢献できるプラットフォームになれるよう、今後も頑張りたいと思います。
──林さん個人としては、今後どのようになっていきたいですか?
まだまだプロダクトマネージャーとしてひよっこなので、プロダクト開発全体に責任を持てるよう、スキルを極めていきたいです。プロジェクト成功の指標としてよく言われるのが、「ユーザー価値の向上」と「事業利益の向上」、そして「ビジョンの実現」です。
これら3つが揃うよう、これからも強いこだわりを持って挑戦していきたいと考えています。数字面はもちろん大事ですが、ユーザーからも喜ばれるものをお届けしていこうと思います。
──最後に、一緒に働く仲間としてどんな方がいらっしゃるとうれしいですか?
どんな方も歓迎ですが、医療系のバックグラウンドを持っている方が仲間になってくれたら心強いです。当社のメンバーはみんな、医療に対して高潔さすら感じられる熱い想いを持っています。そこに共感があれば、すごく楽しい職場だと思います。やりたいことを実現していくための社内アセットも揃っているので、興味があればぜひ応募してください。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
報酬改定・「kakari」についてより詳細を知りたい方はこちら
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