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2024年度 調剤報酬引き上げの目的や狙いをわかりやすく解説。今後のスケジュールも紹介

2024年(令和6年)の診療報酬改定について、2023年12月20日の中医協総会で改定率が示され、診療報酬は+0.88%となることが決定しました。
そのうち、薬局経営に関連のある、調剤報酬については+0.16%、薬価については薬価+材料価格で合計▲1.00%となりました。

今回、具体的な改定率について示されたことを踏まえて、その理由と今後の動向・予想についてメドピアで薬剤師資格を保有している小川さんにお話を伺いました。

2月発表、個別改定項目について知りたい方はこちら


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調剤報酬0.16%引き上げ、その狙いは?

まず、前提として診療報酬改定の内容については、国の大きな方針に沿って決められます。
その大きな方針というのは、2023年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太方針)を指します。
その中で社会保障分野の方針として「持続可能な社会保障制度の構築」が示されており、「少子高齢化・人口減少」に伴う医療の担い手の減少を見据え、医療資源をどこに重点的に配分するかといった「選択と集中」による生産性向上が求められています。
薬局に関連した分野でいうと、対物業務から対人業務の充実対物業務の効率化などが該当します。

経済財政運営と改革の基本方針2023
経済財政運営と改革の基本方針2023(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2023/summary_ja.pdf)より

こうした骨太方針を踏まえ、令和6年度診療報酬改定の基本方針においても4つの基本的視点のうち、「現下の雇用情勢を踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」が重要課題として設定されており、プラス改定が示唆されていました。

令和6年度診療報酬改定の基本方針の概要
令和6年度診療報酬改定の基本方針の概要https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001177119.pdf

その結果、今回の改定率については、診療報酬本体が+0.88%となっており、前回改定の+0.43%を大きく上回りました。
そのうち、調剤は+0.16%であり、これも前回の+0.08%を上回っています。
これは「40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分(+0.28%程度)を含む。」と記載があるように人材確保が目的であることが示されています。
このようなベースアップの他、薬剤師の専門性をさらに活かした対人業務領域の評価拡充も各議論から読み取れます。

今後は保険調剤やお薬の相談機能といった薬局としての標準的な機能を備えるのみに留まらず、より専門性を活用して貢献できる薬局が評価される時代になってくるでしょう。

薬価は材料費の高騰を受け、下落幅が縮小

医療費適正化の観点から薬価は引き続きマイナスとなり、▲1.00%が示されました。しかしながら、前回改定(▲1.35%)よりもマイナス幅は小さくなっております。
マイナス幅が小さくなったのは、急激な原材料費の高騰や後発医薬品等の安定的な供給確保への対応も理由の1つです。
そのほか改定率については下記の記載があります。

・長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして、選定療養の仕組みを導入し、後発医薬品の上市後5年以上経過したもの又は後発医薬品の置換率が 50%以上となったものを対象に、後発医薬品 の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とする こととし、令和6年10月より施行する。

・また、薬剤自己負担の見直し項目である「薬剤定額一部負担」 「薬剤の種類に応じた自己負担の設定」「市販品類似の医薬品の 保険給付の在り方の見直し」について、引き続き検討を行う。

このように薬価については今回改定のみならず、次回改定も引き下げが行われ、抜本的な見直しが続くと想定されます。

調剤報酬、今後のスケジュールとやるべきこと

調剤報酬について今後の改定スケジュールは以下です。

改定スケジュール(例年の内容を基に作成)

1月下旬:個別改定項目が発表され、大筋の改定項目が明らかに
2月上旬:答申が行われ、各項目の調剤報酬点数がわかる
3月上旬:告示がなされ、改定内容が確定
以後、疑義解釈が随時発出されていきます。

最終的に改定項目については6月1日施行となります。従来は4月1日施行でしたが、今回は6月1日となっているため、3月の告示後から施行までの期間が長いです。
そのため、改定後の実績要件等をしっかり確認し、改定後の影響への対策を事前に行っておくとよいでしょう。

2024年度 調剤報酬改定最新情報

今回の改定内容について、より詳細を知りたい方は以下をご覧ください。

2024年度調剤報酬改定への備えなど、知りたい方はぜひセミナーへの参加もご検討ください。

【内容】1. 令和6年度調剤報酬改定の方向性整理
    2. 改定を考える上での論点整理

解説者のプロフィール

■小川 拓哉
メドピア株式会社 プライマリケアPF事業部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

小川 拓哉メドピア株式会社 プライマリケアPF事業部 薬剤師

2024年度調剤報酬改定について予想はこちらから

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